父を亡くした後、チームに支えられたペイトリオッツRBスティーブンソン
2026年02月05日(木) 14:00
2025年シーズンにおけるランニングバック(RB)ラモンドレ・スティーブンソンの復活劇は、ニューイングランド・ペイトリオッツが予想外のスーパーボウル進出を果たすうえで重要な役割を果たした。
しかし、チームと共にフットボールフィールドに足を踏み入れる数カ月前に、スティーブンソンが経験した心の痛みを知る者はほとんどいないだろう。
スティーブンソンは3月、まだ54歳だった父ロバートを突然失い、多くの人が経験するが、誰も望まない苦しみの世界に突き落とされた。それは、ペイトリオッツがマイク・ブラベルを新ヘッドコーチに迎えたわずか数週間後という、スティーブンソンにとって不確かな時期の出来事だった。
ブラベルHCが現地4日(水)に述べたように、それはどんな人にとっても困難な状況だったと言える。
「予期せぬ事態が起こることはある。ラモンドレとその家族にあれほど衝撃的な出来事が起き、しかも私たちのことをまだよく知らない状態だったのはつらかった」とブラベルHCは述べた。
「彼が私たちの立場も、マイク・ブラベルという人間も、(RBコーチの)トニー・デューズのことも知らない中で、どうにかサポートするには、私たちが彼個人を見守っていること、彼とその家族を気にかけていること、最善の方法を模索していること、そして彼が仕事に復帰して実力を発揮し、父親を称えられるような状態に導くために全力を尽くそうとしていることを、信じてもらうしかなかった」
「彼は毎日そうしてくれた。そんな彼を誇りに思う。私はあのときの気持ちや今の気持ちを想像することができない。うちにトニー・デューズのような人がいるのは幸運だ。彼は自分のポジションだけでなく、コーチやスタッフも含めてチーム全員のことを深く気にかけている。トニーは話した瞬間、すぐにでも動いてくれただろう。ただ、少し時間をあげて待とうという話になった。そして、最終的にトニーがラモンドレとその家族のそばに行ってくれた。言うまでもなく、トニーには心から感謝している」
ブラベルHCとデューズが意識的に思いやりを持ってサポートしたことで、スティーブンソンはチームの中に支えを見つけ、困難な時期にチームメイトに頼ることができた。特に、ラインバッカー(LB)ジャラニ・タバイはスティーブンソンが悲しみに打ちひしがれることがないよう寄り添った。父親が亡くなってから約1年が経過した今、スティーブンソンは喪失の悲しみを乗り越える過程で最も重要な支えとなった人物として、真っ先にタバイの名前を挙げている。
スティーブンソンは水曜日に「彼らはたくさん支えてくれた。今の自分でいられるのも、あの状況でどう対処し、どう振る舞えばいいかが分かったのも彼らのおかげだ」とコメント。
「特にタバイ、ジャラニ・タバイには感謝している。本当に俺のことを気にかけてくれた。毎日のように様子を見に来てくれて、ロッカールームを通りかかるたびに必ず、大丈夫か、気持ちは整っているかと確認してくれた。本当に感謝しているし、そういう彼が大好きだ」
タバイはそれが正しい行動だと分かっていた。
水曜日、タバイは感情が込み上げてくるたびに長い間を置きながら「ニュースを見たとき、とにかく彼の様子を確認したかった。他の人がそうしたかは知らないけど、誰かを失ったとき、人は暗闇に放り込まれたような気分になる。時には誰かの助けが必要なんだ。だから、俺にできる範囲で、とにかく手を差し伸べたかっただけ」と振り返っている。
タバイは直感的に良いチームメイトとして行動していたが、自身の経験から、スティーブンソンにはより注意を払う必要があるかもしれないと悟っていた。タバイはハワイ大学時代に当時のチームメイトであるシャイアン・サニトアを失っており、こうした悲劇的な喪失の重みが若い選手を追い詰める可能性があることを分かっていたのだ。
タバイは新人時代の夏を振り返りながら「まるで昨日のことのように覚えている」と語った。
「あのときは家族や友人がたくさん連絡をくれて、様子を気にかけてくれたんだ。そういう小さな気遣いが本当に助けになった」
シーズン序盤にボールの保持に苦戦し、ドラフト2巡目指名を受けた新人RBトレヴェヨン・ヘンダーソンに取って代わられるかもしれないというプレッシャーを感じていたとき、スティーブンソンが挫折する可能性はあった。しかし、ペイトリオッツのメンバーはそれを許さず、チームとして結束し、最終的にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)王者となる過程で、スティーブンソンに寄り添い、支えとなっていた。その偉業は、スティーブンソンがシーズン後半に復調していなければ達成できていなかった可能性もある。
スティーブンソンは、ヘンダーソンを含むチームメイトやコーチたちの揺るぎない支えがなければ、復調を遂げることはできなかったと考えている。ヘンダーソンはスティーブンソンがこれまで十分に注力できていなかった人生のもう一つの領域を深める手助けもした。
「彼は本当に話しやすい人だ」と明かしたスティーブンソンはこう続けている。
「彼のおかげで信仰にもっと深く向き合えるようになった。それには感謝している。1年前よりも今の方が聖書に向き合う時間が増えた。彼のそういう部分を尊敬しているし、愛している。彼はまさに部屋の中で輝く光のような存在だ」
「フットボールフィールドでは、みんな知っている通り、エネルギッシュで素晴らしい選手だ。毎日学ぶ姿勢を持ってやって来るところを、俺は気に入っている」
プロスポーツにありがちな冷酷な内部競争の特徴を示す代わりに、ペイトリオッツは集団の力が持つ価値を見せつけた。それを証明したのはスティーブンソンとその成績だ。スティーブンソンはシーズン最初の5週間で3回のファンブルを喫したものの、それ以降は一度もファンブルせず、合計9回のタッチダウンと948スクリメージヤードを記録している。
スティーブンソンは「チーム施設やジレット(スタジアム)にいる全員が俺を支えてくれた。チームメイトもコーチングスタッフも、決して俺への信頼を失わなかった」と話している。
「それが俺に自信を与え、フィールドに出てプレーし、チームに貢献しようと思えた。全く異なる状況になっていた可能性もある。マイク・ブラベルは俺を支えてくれた。あの人はチームへの接し方で人への接し方を決める。俺はチームにちゃんと向き合っていると思うし、だからこそ彼も俺を支えてくれた。だから、チームが支えてくれたのは本当にありがたいし、そのおかげで前に進めた」
復調を遂げたシーズンを最高の勝利で締めくくることを望んでいるスティーブンソンは、それを成し遂げた瞬間に感情が自然に湧き上がることを理解している。それはタバイも同じだ。
「ラモンドレ、あの重荷を背負いながらここまで来るのがどれほどつらかったか、俺には分かる」と語ったタバイは「普通なら心を閉ざしてもおかしくないけど、彼には本当に良い支えがあったようだ。みんなが彼に連絡をとって様子を確認していたはずだし、ブラベルがそうしていたのも知っている。とにかく厳しい状況だけど、俺は何があっても味方だって彼に伝えていたんだ」と続けた。
【RA】



































