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2026年NFLドラフト:ラムズが全体13位でQBタイ・シンプソンを指名、将来の後継者候補を確保

2026年04月24日(金) 11:41

Aアラバマ大学のタイ・シンプソン【AP Photo/Sue Ogrocki】

ロサンゼルス・ラムズはドラフト全体13位指名権を未来への投資に使った。

ラムズはピッツバーグで現地23日(木)に始まった2026年NFLドラフトの全体13位でアラバマ大学のタイ・シンプソンを指名。

シンプソンが1巡前半で指名されるとの予想は少なく、ドラフト序盤の大きなサプライズとなった。

マシュー・スタッフォードはMVPシーズンを終えて2026年もプレーする意向を示しており、契約延長も進行中とされる。ラムズは38歳のスタッフォードが複数シーズンにわたって現役を続けることにも楽観的な姿勢を見せてきたが、キャリア終盤が近づいているのも事実であり、それを踏まえて、昨年のドラフトでアトランタ・ファルコンズとのトレードで得た指名権を、長期的な後継プラン構築に充てる決断を下した格好だ。

これによりシンプソンはNFL屈指のパサーの後ろで学びながら、ヘッドコーチを務めるショーン・マクベイの下で成長する機会を得た。

アラバマ大学でブライス・ヤングとジェイレン・ミルローの控えを経験した後、シンプソンは1シーズンを先発として過ごし、ライアン・グラブのスプレッドオフェンスでパスは473回中305回成功、3,567ヤード、28タッチダウン、5回のインターセプトを記録。

大学通算15先発と経験が限られる中、シンプソンは2026年ドラフトで最も評価が分かれる選手の1人だった。23歳のシンプソンはNFLレベルの情報処理能力を備え、2025年序盤にはハイズマン候補として名前が挙がるほどの活躍を見せた。アラバマが8勝1敗で滑り出した最初の9試合では、21タッチダウンに対してインターセプトはわずか1回。一方で終盤はプレッシャー強化に苦しみ、最後の6試合では7タッチダウン、インターセプト4回と失速し、ターンオーバーにつながりかねない危険なスローも散見された。

ドラフト前から残っていた疑問は、その浮き沈みの激しいシーズンが環境要因だったのか、あるいは、次のレベルで苦戦する兆候だったのかという点にあった。先発経験の少ないQBの成功例は決して多くない。

それでも、シンプソンにはNFLで通用する資質がある。判断が速く、フィールド全体を読めて積極的にダウンフィールドを狙える。メカニクスは優れ、レシーバーを走らせたままヒットできる精度も持つ。腕力は突出こそしていないが十分で、必要なスローは一通りこなせる。オフェンス掌握力、ポケット内での動き、タフネス、フィールドジェネラルとしての資質も評価されている。ターゲットやプロテクションに助けられない場面でもビッグプレーを生み出す能力を示していた。

一方で、実戦経験の少なさは評価を難しくし、意見の分かれる要因にもなった。プレッシャー下では判断をためらう場面もあり、チェックダウンに逃げる傾向も見られた。平均的なサイズでNFLのプレッシャーに対応し、ターンオーバーを減らせるかは今後の課題となる。

先発になれる資質はあるが、経験不足と安定性には懸念もある。それでもラムズはその天井の高さを信じたということだろう。スタッフォードの後ろで育てることで、いきなり火中に放り込むのではなく、成長の時間を与える構想だ。

ラムズはスタッフォードのバックアップに明確な課題を抱えていた。ジミー・ガロポロはフリーエージェントで引退も検討しており、その穴を未来への計画とともに埋めた形になる。

フリーエージェント市場でトレント・マクダフィーを獲得し、ジェイレン・ワトソンと契約することで、オフシーズン最大の課題だったコーナーバックの穴を埋めていたラムズにとって全体13位でクオーターバックを取る動きは贅沢な指名とも言える。ただ、層の薄さも指摘される今回のドラフトで、ラムズはスポーツで最重要と言えるポジションの将来設計を優先することが最善と判断したのだ。

ラムズにスタッフォードを急かして退かせるつもりはなく、引退のタイミングは本人が決めるだろうが、MVPに輝いた経歴を持つスタッフォードがキャリアに幕を下ろすその時、ラムズにはすでにプランがあるということになる。

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