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ジェッツ、HCボウルズをとどめてベテラン選手を放出か

2016年12月12日(月) 13:31


ニューヨーク・ジェッツのトッド・ボウルズ【Tom DiPace via AP】

ニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズが職を失うことはなさそうだ。

これは現地11日(日)、シーズン後半の大失速を抜きにすれば、ボウルズがチームを去ることなないだろうと発言した『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートの言葉だ。

一方で、ラポポートは同じ言葉をジェッツのベテラン選手たちに対して発することはできなかった。コーナーバック(CB)ダレル・リービス、ワイドレシーバー(WR)のブランドン・マーシャル、ディフェンシブタックル(DT)シェルドン・リチャードソンについて言及したラポポートは、チームがサラリーキャップにスペースを空けるために大型契約を結んでいる3人の放出も念頭に置いていると語った。

ラポポートは「トッド・ボウルズがこの責務を担った時から、メンバーが入れ替わる時期なのだということは分かっていた。単純に、チームからボウルズを手放すか、あるいは、メンバーの入れ替えを続けるかという話しなのだ」と言う。

ラポポートは今朝、2017年のジェッツが全く新しいチームになる可能性もあると語った。現オーナーであるウッディ・ジョンソンが英国大使の職を手にすれば、オーナー自体が入れ替わる可能性もあるのだ。

これは理論上、ボウルズにとって良いニュースである一方、3勝9敗と低迷するチームにこれ以上の猶予はない。インディアナポリス・コルツに41対10と屈辱的な大敗を喫したマンデーナイトゲーム後も、ボウルズは何とかチームのパフォーマンスについてポジティブな面を見出そうとしていた。

昨年は予想以上の勝ち星を積み重ねたものの、今シーズンは期待を下回っている同チーム。しかし、ドラフトでの有望株獲得や今季がリーグ最弱のロースターであったことも考慮すれば、今後に期待は持てるはずだとラポポートは語る。フリーエージェント選手を起用したのはロースターを強化するべく、チーム内競争を活性化させることが狙いだった。それでも、ロースターの層の薄さは顕著だ。

今後のジェッツ再建は中堅選手への注力にかかっているとラポポートは発言している。DTレナード・ウィリアムズやWRクインシー・エヌンワなどを含め、チームには戦力強化につながる選手が多数存在するのも確かだ。ラポポートは加えて、もしジェッツが著名なベテラン選手を大量に放出すれば、チームはフリーエージェント選手の獲得戦略もあいまって、サラリーキャップに猶予を持たせることが可能になると語った。

現在のところ、今オフシーズンに重荷となる選手を放出し、チームの未来を切り開くチャンスを持つボウルズは、この機会を自身への信任が問われるものであると考えるべきだ。歴史あるチームの監督を務めることは幸福なことでもあるが、同時に災いでもある。ボウルズは今、チームをまとめることがいかに難しいかを身に染みて感じているに違いない。