カウボーイズ、先発QB交代はもう手遅れ?
2016年12月19日(月) 10:40ダラス・カウボーイズのクオーターバック(QB)、トニー・ロモとダック・プレスコットについては各方面からいろいろな形で議論が交わされてきた。
しかし、ボルティモア・レイブンズの元ヘッドコーチ(HC)としてスーパーボウルを制した経験があり、現在は『NFL Network(NFLネットワーク)』のアナリストを務めるブライアン・ビリックは、カウボーイズが今からQB変更を決断するには時間が足りないと考えている。
これはビリックがQBトニー・バンクスをベンチに下げ、トレント・ディルファーを起用することで第35回スーパーボウルを制覇した時とはまた違うストーリーなのだ。
ビリックは現地18日(日)の『NFL GameDay Morning First(NFLゲームデー・モーニング・ファースト)』の中で「このままQBをダックでいくならば、カウボーイズはどう頑張ろうとスーパーボウルでの勝ち目はなさそうだ。“あー、やっぱり判断を誤ったか”といった感じだ」と語った。
ビリックは続けて、「カウボーイズのここ2週間はあまり良い感じではない。彼らはバッカニアーズ戦を迎えるが、またやられる可能性もある。ここ2試合のサードダウンは24回プレーで2度しか成功していない。もしこのような状況が続けば――全責任がダックにあるわけではないが――私が今思っているのは、ひょっとするとプレーオフで期待に応えてくれるのはトニー・ロモではないかということだ。私ならプレーオフに入る前、彼にプレー機会を与えて試合に出場させる。これはダックにとって厳しい現実だ――内心では、多くの者がそう思っているのだろう。いざプレーオフとなってから、“よし、トニー出番だ。勝ってこい”なんていうのは話がうますぎるんだ」と自身の見解を述べている。
試合から遠ざかっていた男をいきなりプレーオフという大舞台に登場させるのは、いくらそれがロモであったとしても酷な話であろう。その点で言えば、ビリックの考え方は正しい。ポストシーズンが始まる前、実際の先発QBとしての試合感覚を養うために第17週にロモを起用すべきだ。だが、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートも先週述べていたように、ダックの代役は3番手のマーク・サンチェスとなりそうだ。カウボーイズは残りの試合でもプレスコットにできる限り多くのスナップを受けさせる方向だ。
ラポポートは18日、例えスランプに陥っているとしても、プレスコットはもう残りの数試合を必死に耐えるしかないと語った。
オーナーを務める直情的なジェリー・ジョーンズにとっては今が転換期に見えるかもしれない。ドラフトでは衝動を抑えながらQBのジョニー・マンジールを選ばず、要のオフェンシブラインマンを獲得したジョーンズ。今、ジョーンズは新人QBのプレスコットを先発から降ろしたいという衝動を必死に抑えているはずだ。おそらくそれがプレスコットの未来に悪影響を及ぼしかねない決断であることをジョーンズは理解している。
もしジョーンズが本気でそうするつもりだったならば、今の時点ですでにQBは交代していたはずなのだから。