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レイブンズWRスミス、今シーズン限りで引退へ

2016年12月29日(木) 11:54

ボルティモア・レイブンズのスティーブ・スミス【AP Photo/Michael Ainsworth】

背番号89の選手がまた、そのユニフォームを脱ぐ決断をする。

ボルティモア・レイブンズのワイドレシーバー(WR)スティーブ・スミスは記者に対し、現地1月1日(日)に行われるシンシナティ・ベンガルズ戦が自身最後の試合となる可能性を示唆した。

シーズン終了後について、スミスは自身の背番号にちなんで「89%は確かだ」と発言。彼の息子はまだ彼にプレーしてほしい様子だが、娘の方は父親に家にいてほしいのだと言う。

スミスは控えめに、「フットボールは中継地点だ。良いことも悪いこともあるプラットフォームみたいなもの。でも、いろんなチャンスを与えてくれるんだ。恩返しできないくらいのものをフットボールは俺に与えてくれた。2016年から2017年にかけてが、最後になると思う」と語った。

2015年のシーズン終了後、一度は引退を決意したスミス。しかし、アキレス腱の負傷で7試合のみの出場となったシーズンに未練を残した彼は考えを改めた。もう一度フットボールを楽しむため、2016年にスミスは復帰した。

37歳のWRが強靭な相手ディフェンス陣を切り裂いて突進し、10歳以上も歳の離れた若いディフェンシブバック(DB)をなぎ倒すその様を見れば、彼がまだハイレベルなNFLの舞台で活躍できると思うのは当然だ。

スミスはこう語る。

「みんな“戻ってこい。データを良く見てみろ”と言ってくる。自分のできる最大限の成績を残した自負はある。俺は16年間もここでプレーしたんだ」

小さな巨人とも形容されるスミスは、すでに数々の記録を打ち立ててきた。

5度のプロボウル選出、2度のファーストチームでのオールプロ、1万4,697レシーブヤード、81回のタッチダウンレシーブ。今年は1,000キャッチの大台も超えたスミスは、現在キャリア1,028キャッチで堂々のNFL歴代21位である。

2001年にカロライナ・パンサーズからドラフト3巡目で指名を受けたスミスは長らくの間、パンサーズの看板選手として活躍。ここ3年間はレイブンズで過ごしていた。彼の屈強さ、不屈の闘争心、そしてプレーメーキング能力が、身長約175cmというNFLでは相当小柄な体格から来るターゲットには不向きだ、という周囲の偏見を見事に吹き飛ばした。

自身のキャリアについてスミスは「全ての期待よりも良い結果を残してきた」とコメント。

トークでも面白みのある彼はこれまでに数々の名言を残し、フィールド外でも人々を楽しませてきた。

スミスは「今日はなんだか感傷的な1日だった。少し風が吹いていたし、フィールドの一部が凍っていて太陽がまぶしかった。今日がそう決断する日なんだと感じた。神様がウインクしてくれたよ」と、フィールドを去る決意について語った。

レイブンズのチームメイトやコーチはスミスがもう一度考えを改めてほしいと願う反面、彼がすでに引退に向けた準備に取りかかっていることも理解している。

ヘッドコーチ(HC)のジョン・ハーボーは「(スミスのコーチができたことは)とても名誉なことだったし、楽しみでもあった」とコメント。

将来的に殿堂入りが有力視されているスミスはフィールドの内外を問わず、スーパ―プレーヤーとしてみんなの記憶の中に刻みこまれるだろう。