【2016年第17週】スティーラーズQBジョーンズがTDパスを成功させて延長戦を制す
2017年01月02日(月) 10:15現地1日(日)、ピッツバーグ・スティーラーズの本拠地ハインツ・フィールドでクリーブランド・ブラウンズとの最終戦が行われ、主力を温存したスティーラーズが延長戦の末、ブラウンズに27対24と辛勝した。
スティーラーズはオフェンスのクオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガー、ランニングバック(RB)リビオン・ベル、ワイドレシーバー(WR)アントニオ・ブラウンの通称“トリプレット”を温存し、先発QBはランドリー・ジョーンズが務めている。
前半、ブラウンズはQBロバート・グリフィン三世がショートパスを的確に決めながら前進し、最後はブーツレッグのアクションからタイトエンド(TE)セス・ディバルブへのタッチダウンパスを決めて先制。その後も、QBグリフィン三世のショートパスが冴え渡ったブラウンズはTEゲイリー・バーニッジへのタッチダウンパスで14対0とリードを広げている。ブラウンズディフェンスは第3ダウンのパスシチュエーションでブリッツを効果的に使い、スティーラーズオフェンスライン(OL)とQBジョーンズを苦しめた。
以降もブラウンズペースで試合が進むが、ゴール前でQBグリフィン三世が投じたボールをスティーラーズのラインバッカー(LB)ライアン・シェイジアーがインターセプトし、攻撃権を得た。自陣ゴールを背負う状況のスティーラーズは、あわやセーフティかと思われるピンチも切り抜け、パントで自陣を回復。続くブラウンズの攻撃ではQBグリフィン三世がショットガンのスナップを後逸し、こぼれたボールをスティーラーズのストロングセーフティ(SS)ショーン・デービスが抑えてフィールド中央で攻撃権を奪取する。このチャンスにQBジョーンズは第3ダウンの攻撃をノーバック(RBが一人もいないフォーメーション)でのショートパスで初めて切り抜けると、そのままリズムをつかみ、最後はパスを受けたRBディアンジェロ・ウィリアムスがタックルをかわしながらタッチダウン。14対7と一矢報いて前半を終了した。
第3クオーターは両チームのディフェンス陣が奮闘し、どちらもパントを2本ずつ蹴り合った後、ブラウンズSSブリアン・ボディ・カルフーンがインターセプトリターンを決めたかと思われたが、その後の審査でボディー・カルホーンがエンドゾーンに飛び込む際にボールをファンブルしており、そのボールをスティーラーズQBジョーンズがエンドゾーン内で抑えたため、タッチバックの判定が下った。これにより、スティーラーズが自陣20ヤード地点から再度攻撃権を得ている。この攻撃をRBウイリアムスのランとQBジョーンズのショートパスで辛抱強く前進し、最後はRBウイリアムスがエンドゾーンに飛び込んで同点とした。
再度突き放したいブラウンズはQBグリフィン三世からWRテレル・プライアーへのパスなどで前進するも、第3ダウンでグリフィン三世がサックを受け、その後、トライしたフィールドゴールは失敗、得点できなかった。一方のスティーラーズはQBジョーンズからWRダリウス・ヘイワード・ベイに放たれたロングパスで一気にゴール前に迫ると、最後はパスを受けたデマーカス・エイヤーズがタッチダウンを決めて逆転に成功する。
2連勝でシーズンを終えたいブラウンズはRBアイザイア・クロウェルがフィールドを縦横無尽に駆け回り、ディフェンスをかく乱しながら67ヤードを独走。ゴール前まで運ばれたボールを、最後はRBジョージ・アトキンソンがエンドゾーンへと飛び込んで21対21、試合を振り出しに戻す。その後、ブラウンズはスティーラーズの攻撃をスリーアンドアウトに抑えると、続く攻撃でQBグリフィン三世がWRプライアーへのパスを成功させてフィールドゴール圏内に入った。残り時間は1分、ラン攻撃で時間を費やそうとRBクロウェルにボールを託すが、クロウェルがファンブルを喫し、スティーラーズに抑えられて得点ならず。試合は同点でオーバータイム(OT)へと突入した。
先攻のブラウンズはQBグリフィン三世がショートパスをつなぎ、さらには自らが走ってゴール前まで前進。エンドゾーン手前3ヤードの攻防でブラウンズはランではなくパスを選択したが、これが裏目に出た。2プレー目のスクリーンで大きくロスし、タッチダウンを奪えず、フィールドゴールの3点にとどまったのだ。後攻のスティーラーズはこの試合で苦手としていた第3ダウンのシチュエーションをクリアし、第4ダウンギャンブルもパスでクリアすると、最後はQBジョーンズが左コーナーにふわりと浮かせたパスをWRコービー・ハミルトンがタッチダウンレシーブし、劇的な勝利を呼び込んだ。
スティーラーズQBランドリー・ジョーンズはパス37回中24回成功、277ヤード、3タッチダウン、1インターセプト、第3ダウンでブリッツのアクションが入ってもオーディブルコールなどは入れず、対応が不十分でサックを浴びたが、ショートパスなどは的確に決めている。
ブラウンズQBロバート・グリフィン三世はパス40回中29回成功、232ヤード、2タッチダウン、1インターセプト。復帰直後の試合よりもボールに綺麗なスパイラルがかかり、パスの精度も高かった。RBアイザイア・クロウェルはキャリー19回、152ヤードの活躍。WRテレル・プライアーはレシーブ7回、94ヤードのパフォーマンスだった。
また、ブラウンズLTジョー・トーマスが2007年から10年連続、休みなしの9,934スナップ出場を達成。ただ、クリスマスに悲願の今季1勝目を手にしたブラウンズは重要な場面でインターセプトやファンブルでのターンオーバーが響き、勝利の女神にそっぽを向かれて2連勝はならなかった。