スティーラーズ、敗戦要因は若手WRの落球
2017年01月24日(火) 10:57ピッツバーグ・スティーラーズには今シーズン大活躍だったワイドレシーバー(WR)アントニオ・ブラウンやランニングバック(RB)レベオン・ベル以外の補助的な選手でいちかばちかの勝負に出るしか選択肢がなかった。
現地22日(日)夜、ニューイングランド・ペイトリオッツ本拠地のフォックスボロでAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップが開催された。スティーラーズRBベルが負傷し、WRブラウンの動きは厳しいカバレージに阻まれた中、チームは他の選手に頼らざるを得なかった。この状況下、クオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガーはほぼ最高のパフォーマンスを見せていたものの、結果的には自分を責める形となった。
試合後、ロスリスバーガーは記者に対して「そうだな、不満はあるね。俺たちはいつも1つ1つのプレーについて話し合ってきたんだ。今夜はその話し合いの内容が生かされなかった。前にも言ったように、相手が強すぎたとか、そういうのは分からない。ペイトリオッツのようなチーム相手であればなおさら、全てのプレーをちゃんとこなす必要があるんだ」とコメント。
スティーラーズのファンにとって、今回の主な敗戦要因には聞き覚えがあるはずだ。WRのサミー・コーツとコービー・ハミルトンがドラフトされた時、スティーラーズは2人にボールをドロップする癖があることには気付いていた。『NFL.com』のドラフトプロフィールの中では両者とも、集中力およびキャッチの安定感に“ネガティブ”の評価が下されている。
ロスリスバーガーはオープニングドライブでコーツへの深いパスを出し、スピードのあるコーツが相手ディフェンダーを1歩かわすところまでは良かったのだが、ボールは無情にもその手から滑り落ちた。第2クオーター、ハミルトンはエンドゾーン付近でお腹の高さに来たパスを捕球できず、ボールは転がってしまった。『Pro Football Focus(プロ・フットボール・フォーカス)』によると、スティーラーズは攻撃の間に合計119ヤード分を落球で失った計算だとしている。
スカウトがいかに難しい職業であるかをコーツが体現している。コーツは正真正銘のスピードスターで、身体能力の高さは群を抜いているものの、野球で例えればホームランは打てるが打率は低く、三振も多いといったタイプだろう。今シーズンのある試合で、コーツはレシーブヤード数でトップ10入りしている。だが、第5週以降はトータルで4キャッチしかしていない。そのうちの2つは日曜日の対ペイトリオッツ戦で記録したものだ。
負傷したブラウンが試合にほとんど参加できない中、その他の選手を実戦で使えるように整えることなど、そう簡単にできるはずはなかった。
ロスリスバーガーは地元紙『The Post-Gazette(ポスト・ガゼット)』を通し、最後にこう語っている。
「この試合を通して、レギュラーが皆に確約されているものではないことを若手が分かってくれたと思いたい。明日ですら保証はないんだ。プレーオフに出場するのが最終目標じゃないはず。多くの選手がこのリーグでプレーし、競い合っていく。もし、若い選手たちにもう1度プレーオフのチャンスが訪れたら、その重要性を理解した上で大舞台を存分に楽しんでもらいたい」