ニュース

スティーラーズQBロスリスバーガーが“引退”に言及

2017年01月25日(水) 09:30

ピッツバーグ・スティーラーズのベン・ロスリスバーガー【AP Photo/Don Wright】

ニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディやその他ベテランQBがあと数年は現役続行を希望する一方、ピッツバーグ・スティーラーズQBのベン・ロスリスバーガーは将来について少し違った考えを示した。

34歳のQBロスリスバーガーは地方ラジオ番組『93.7 The Fan(93.7ザ・ファン)』の“The Cook and Poni Show(ザ・クック&ポニー・ショー)”というコーナーで自身の引退について問われた際、「このオフシーズンはいろいろな可能性を考えようと思う。もし来シーズンがあるとしたら、来シーズンのことを考え始める前に体のことや、家族のことなども、すこしゆっくりと時間をとって考えたい」と、曖昧な発言をしている。

同コーナーによって “ビッグ・ベン”引退の可能性についてさらに追及されると「家族と一緒に時間をかけて考えるよ。自分や家族にとって1番正しい選択が何なのかは神のみぞ知るといった感じさ」と、ロスリスバーガーは直接的な回答を避けた。

今シーズンは故障の話題だけでもかなり世間を騒がせたロスリスバーガーが、今回も引退を示唆するコメントで世間をざわつかせているだけだという声も多いのは事実だ。今シーズン、本気でロスリスバーガーが引退するとしたら多くの人が衝撃を受けるだろうが、余力十分である同選手が今シーズン限りということはないだろう。

ヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンは現地24日(火)、まだロスリスバーガーには会っていないと明かしたものの、そのコメントについては心配していないとも語った。

トムリンは「彼がそう言ったんだから、真剣に受け止めないといけない。キャリアの中でそういうことを考える時期も確かにあるだろう。あまり心配はしていないがね。単純に、それもフットボールではよくあることだと考えている。もちろん彼には戻って来てほしい。彼が現役続行か引退かでわれわれの来シーズンの計画が180度変わってくる。ただ、ベンがそういった時期にいることも考慮する必要もある。彼の人生だからだ。チームにとって彼は必要不可欠な存在だから、彼のリアクションに応じてわれわれも次のプランを練る」と述べている。

AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップ戦でのロスリスバーガーのパフォーマンスは素晴らしかったが、その他の攻撃選手がそれに応えられなかったのは非常に残念だった。しかしながら、キャリアにおけるケガの数々を考えれば、今後、負傷があまりに多いボルティモア・レイブンズのテレル・サッグスのように必要とされない選手という烙印(らくいん)を押される可能性もある。

もしロスリスバーガーが引退するというのであれば、スティーラーズにとってこれ以上ない衝撃と損失になるだろう。バックアップはもう何年もいないに等しい。今シーズン、ロスリスバーガーのバックアップとして過ごしたQBランドリー・ジョーンズはもうじきフリーエージェントとなり、3番手QBにはザック・メッテンバーガーがいる。いずれにせよ、スティーラーズをチャンピオンシップ戦までリードできるようなQBでないことは確かだ。ロスリスバーガーの引退が遅かれ早かれ来ることを考えると、スティーラーズのファンは平常心を保てない。

ロスリスバーガーがAFCチャンピオンシップ戦後に残したコメントを振り返れば、今回の曖昧な発言には深い意味はないのだろう。しかし、今回の件であのロスリスバーガーにも引退する時が来るのだと、皆それぞれが実感したのではないだろうか。