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ベンガルズTウィットワースがフリーエージェント市場へ

2017年02月23日(木) 10:19

シンシナティ・ベンガルズのアンドリュー・ウィットワース【AP Photo/Frank Victores】

シンシナティ・ベンガルズのオフェンシブタックル(OT)アンドリュー・ウィットワースが、12年もの在籍期間を経てフリーエージェント市場で自身の評価を問う。

『ESPN.com』によれば、ウィットワースは今週、NFLラジオ番組『SiriusXM(シリウスXM)』の中で「シンシナティは本当に素晴らしいところ。十分に楽しむことができている。今までも挑戦し続けてチャンスをつかんできたが、これからもその姿勢を変えるつもりはない。このチームでいろいろな事を経験できたし、これからもたくさんの事を経験してみたいと思う。しかし、それも数多くある選択肢の一つ。メンターやリーダーとして、チームメイトがフリーエージェントで大きなチャンスをつかめそうなときには、それを最大限に生かせと促してきた」と発言。

ウィットワースは続けて、「シンシナティが大好きだからここに残りたいとは思っているし、再びこのチームでプレーすることに何の疑問もない。だが、フリーエージェントになれるタイミングが来たのだからそのチャンスは生かしたい。他のチームがどう評価しているのかも知りたいし、それが正しいやり方だと思っている」とも語った。

ドけち球団としても知られるベンガルズはすでにガード(G)のケビン・ザイトラをフリーエージェントで失いかけている。ゆえに、チームとしては35歳のウィットワースにキャリアの幕引きまでの契約を提示し、手放さない方向で動くだろう。リーグ内Tの中でもウィットワースの実力は頭一つ抜きんでているが、その能力が正当に評価され始めたのはここ最近になってのことだ。ウィットワースは2012年、2015年、そして2016年にもプロボウルに選出されている。

ウィットワースがチーム残留を示唆する一方、他チームからのラブコールは引く手あまたとなりそうだ。現ミネソタ・バイキングスのヘッドコーチ(HC)でかつてはベンガルズの守備コーディネーター(DC)を務めたマイク・ジマーは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区を戦い抜くためのオフェンシブライン(OL)構築に苦しんでいる。また、現ベンガルズHCのマービン・ルイスの下で経験を積み、今シーズンから新しくデンバー・ブロンコスのHCに就任したバンス・ジョセフもベテランのTを欲している状況だ。ウィットワースのような遅咲きの選手が長年いたチームを去ってしまうのは惜しい話ではあるが、チームとしては大型選手のA.J.グリーンやジョバニ・バーナードへ先に気が回るのも無理はない。

ベンガルズは2015年のドラフト1巡目、2巡目でOTを獲得し、2016年にはGも獲得している。残念ながら、彼らの中で今のところ期待通りの活躍を見せているのはOTセドリック・アブイヒのみ。アブイヒやOTジェイク・フィッシャーをドラフト上位で獲得したチームの意図がいつの日かウィットワースを放出するためであったならば、ファンとチームの間には齟齬(そご)があったに違いない。ベンガルズの顔とも言える選手の移籍をファンが喜ぶはずがないのだ。