カウボーイズ、QBロモにリリースを通告
2017年03月09日(木) 11:122003年、当時無名だったトニー・ロモはイースタンイリノイ大学からドラフト外でダラス・カウボーイズに入団した。現地9日(木)、カウボーイズは14年目のベテランクオーターバック(QB)をキャリア初めてのフリーエージェントとする。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとジェーン・スレイターはカウボーイズ側がロモに対して放出を通告したと報じた。リーグ新年度が開始する9日の現地午後4時を迎えれば、ロモはどのチームとも交渉可能となる。
ラポポートは8日、デンバー・ブロンコスとヒューストン・テキサンズがロモ獲得に“非常に高い関心”を持っていると伝えた。両チームはここ2シーズン、QB問題で悩み続けている。昨年3月にブロック・オズワイラーを獲得したテキサンズではあるが、再びまた新たなQBの力が必要だ。
ラポポートはロモが数日後、ペイトン・マニングのスタイルに似たツアーを開催するだろうと予想。ロモの新天地がすぐに決まることはなさそうだ。また、今回のロモ放出が明らかにしたのは、チームが前契約内容に基づいたトレードをしたがらなかったということだ。
2017年はカウボーイズから1,400万ドル(約16億円)を受け取る予定だったロモだが、いずれにせよ、これと同等の額は他のチームであっても支払われるだろう。しかし、いかなる契約であってもケガの保証は必須だ。ここ数年にわたる度重なるケガ(椎間板ヘルニア、背骨の骨折、鎖骨骨折など)がロモとの契約を望むチームに相当なリスクを呼び込む。
負傷歴がロモとの契約のネックとなるのは間違いない。4月には37歳を迎えるロモがシーズンの半分を持つかどうかも確証はない。家族が移動せずに済むことや、ブロンコスよりも質の良い攻撃陣を持つことから、ロモにとってはテキサンズの方が魅力的に映るはずだ。一方で、ブロンコスにはリーグナンバーワンとも称される鉄壁の守備陣がいる。もしブロンコスがロモを獲得したとしても、チームに若手ホープとして期待されるQBが2人もいるため、負傷リスクも同チームにとってはさほどネックにならないだろう。テキサンズの方がより切迫したQBの必要性を感じているものの、2017年にはオズワイラーに対して保証した1600万ドル(約18億3,200万円)の支払いが残っており、これがチームのキャップスペースを占有してしまっている。
全キャリアを通してみても、ロモはほぼ常にリーグトップ10にランクインするQBだ。攻撃的なQBとして知られ、通算アテンプト平均ヤードはあのペイトン・マニングに次いでNFL史上第2位にランクしている。
それでも、一般的にロモに対して抱かれる印象は良くない。肝心な場面で勝てず、ミスをする選手といったイメージがロモにはついて回る。プレーオフでの4敗や、レギュラーシーズン最終戦での大一番での黒星などがその原因だろう。
カウボーイズ残留がベストだとの思いもロモにはあったはずだ。しかし、これから先は星回りの悪かったキャリアの最終章を書き改めるための未知にして新たなるチャンスがロモを待っている。