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ドラフト終了までにトレード可能性ありの10選手

2017年04月20日(木) 12:53

シアトル・シーホークス時代のマーショーン・リンチ【Margaret Bowles via AP Images】

毎年のドラフト会議は非公式なトレード締め切り日とも呼ばれる。5月や6月に行われるミニキャンプが始まってからでは、実力を証明済みのベテラン選手を今季に貢献できない将来のドラフトピックと交換しようという誘因が薄れてくるのだ。

しかし、4月には各チームが本心を隠すことも忘れてはならない。実際の行動よりも見せかけのポーズが多いこの時期。多くのうわさは飛び交うものの、ドラフト週末にトレードされた選手は大抵の場合ロースター外となってしまう。

だからと言って、スーパースター選手のトレードが起こらないわけではない。2013年のドラフト期間中、オールプロのコーナーバック(CB)ダレル・リービスはドラフト全体13位指名権と引き換えにニューヨーク・ジェッツからタンパベイ・バッカニアーズへと移籍。2012年のドラフト開始直後にはフィラデルフィア・イーグルスがプロボウラーのCBアサンテ・サミュエルをアトランタ・ファルコンズへトレードしている。

以下は2017年ドラフト期間(4月27日から29日)が終了するまでにトレードの可能性が高いビッグプレーヤーをピックアップしたもので、可能性が高い順に上から記載している。

1.マーショーン・リンチ:現役引退選手、ランニングバック(RB)

先週の時点ではパワーバックを切望するオークランド・レイダースとの契約が締結間近だったものの、シアトル・シーホークスとのトレードなくしてこの契約は成立せず、リンチ自身もオファー内容に難色を示している。ただし、レイダースのジェネラルマネジャー(GM)レジー・マッケンジーとシーホークスGMジョン・シュナイダーとの関係性は良好。27日までにレイダースはRBの必要性を議論する。

2.シェルドン・リチャードソン:ニューヨーク・ジェッツ、ディフェンシブエンド(DE)

2013年には新人守備選手賞を獲得したリチャードソンだが、チームは同選手を利用してドラフト中位指名権の獲得を目論む。シンシナティ・ベンガルズのバックアップクオーターバック(QB)AJ・マカロンとのトレードもうわさされているが、こちらはジェッツにとって魅力が少ない。

3.マイカル・ケンドリックス:イーグルス、ラインバッカー(LB)

2012年ドラフト2巡目でNFL入りを果たして以来、ケンドリックスに関するトレード話はあまり出ていなかったものの、2015年のドラフト期間前には将来を不安視する声を自ら漏らしていた。その後は守備コーディネーター(DC)ジム・シュワルツによる4-3スキームから外されたケンドリックス。チームはタイトエンド(TE)へのカバレージに定評のある同選手を売りに出している。

4.マルコム・バトラー:ニューイングランド・ペイトリオッツ、CB

バトラーは18日にペイトリオッツとファーストラウンドのテンダーでサイン。以前にはニューオーリンズ・セインツを訪問したこともあったが、GMショーン・ペイトンにドラフト全体11番目指名権をペイトリオッツへと譲渡する意向はなかった。テンダーでサインを行ったバトラーには今後、ペイトリオッツがセインツに与えたドラフト全体32番目指名権を取り戻すためのトレードへと出される可能性がある。

5.リチャード・シャーマン:シーホークス、CB

本人を含め、チーム側もトレードオファーに積極的な姿勢を見せている。チームがシャーマンのトレードに望むものはドラフト1巡目、3巡目の指名権。いずれのチームもシーホークスの要求には応えられそうにないが、CBを欲するセインツ、テネシー・タイタンズの2チームは複数のドラフト1巡目指名権を持っている。

6.アルフレッド・モリス:ダラス・カウボーイズ、RB

カウボーイズがエゼキエル・エリオットのバックアップRBとしてダレン・マクファデンと再契約を交わしたため、モリスが出場機会に恵まれることはなさそうだ。しかし、今シーズンに120万ドル(1億3,000万円)を受け取るモリスが現時点でトレードされる可能性は高くない。それでも、オーナーのジェリー・ジョーンズがドラフト指名順序を繰り上げようとモリスをトレード要員として利用する可能性はある。

7.AJ・マカロン:ベンガルズ、QB

ベンガルズ選手人事担当のデューク・トビンはマカロンのトレードにはオープンだと明言しているが、報じられているところが真実ならその代償として求めるものはあまりに大きく、チームがトレードをそれほど真剣に検討していないことを匂わせている。マカロンはどの球団に所属してもバックアップQBとしては申し分のない実力を備えている。

8.ジミー・ガロポロ:ペイトリオッツ、QB

クリーブランド・ブラウンズが非常に熱心に獲得を狙ったものの、ペイトリオッツがガロポロを手放すことはなかった。ようやくガロポロの価値の高さに気づいたペイトリオッツは来オフシーズン、ガロポロに対してフランチャイズタグを付与する意向。一応、人事部門代表のニック・カセリオは18日の記者会見の中でガロポロのトレードについては可能性がゼロでないと主張している。

9.エリック・デッカー:ジェッツ、ワイドレシーバー(WR)

昨秋、肩と臀部(でんぶ)に大ケガを負い手術を行ったデッカーはトレーニングキャンプまでに間に合うかどうかも微妙なところ。チーム再建に取り組むジェッツが身体検査をパスできなかった場合にデッカーを放出するつもりでない限り、あと2、3カ月は行き場のない状態になるかもしれない。

10.カーク・カズンズ:ワシントン・レッドスキンズ、QB

カズンズのトレードが有り得たとすれば、サンフランシスコ・49ersの新HCカイル・シャナハンがQB獲得に奔走していたフリーエージェント市場の初期段階であっただろう。今年の7月15日までにカズンズと球団側が長期契約合意に至らなかった場合、球団社長のブルース・アレンは3,500万ドル(約38億円)に及ぶ2018年のフランチャイズタグを“オプションイヤー”として考慮している。