RBピーターソン、セインツと2年契約で合意
2017年04月26日(水) 10:13エイドリアン・ピーターソンの新天地がようやく決定した。
ニューオーリンズ・セインツが2年700万ドル(約7億7,000万円)でランニングバック(RB)エイドリアン・ピーターソンと契約を締結したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが伝えている。初年度である今年には350万ドル(約3億9,000万円)が保証され、インセンティブなどを含めれば最大825万ドル(約9億1,500万円)まで金額はふくらむ。チームはこの報道を後に認めた。
ラポポートは今オフシーズン、ピーターソンに対して正式なオファーを出した球団がセインツのみであったとも報じている。
『ESPN』のジョシーナ・アンダーソンに対して語った内容によれば、ピーターソンは今シーズンにおけるセインツの競争力を評価するとともに、チームに貢献できるという確信を持っているという。
「ニューオーリンズ・セインツのメンバーになれてうれしい。この機会をとても楽しみにしている。何より重要なことは、自分の気持ちに正直に従った結果、セインツを選んだということ。また、妻や家族も自分と同じ気持ちを抱いていた。セインツ攻撃陣には大黒柱の(クオーターバック/QB)ドリュー・ブリーズがいて安定感がある。自分がいればこのチームはもっと強くなると思う」
「セインツは素晴らしいオフェンシブライン(OL)を持つ。このOLの強さにも魅かれた。ここ2週間におけるヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンとの会話からも、自分がどうセインツに貢献できるかを真剣に考えてくれていたことが分かった。セインツ守備陣についてもかなり学んだ。故障で思うようなプレーができなかったのもあるが、チームに才能ある若手選手が数多くいるのがいい。最後に、セインツには素晴らしいファンがついている。彼らに喜んでもらえるような最高のプレーをしたい」
チームによる声明文の中でペイトンHCは「われわれはエイドリアンのセインツ入団を歓迎する。殿堂入りするような選手をロースターに加えられることはめったにないチャンスだし、特別なこと。彼のキャリアがずば抜けていることは数字を見れば分かる。彼はわれわれのオフェンス陣にぴったりはまってくれるはず。この春から彼と共に動き出せるのが楽しみだ」と発言した。
『Spotrac.com』によると、今年のRBの中でピーターソンの平均年俸である350万ドルはフランク・ゴア(400万ドル/約4億4,400万円)、セオ・リディック(385万ドル/約4億2,700万円)、ビラル・パウエル(375万ドル/4億1,600万円)、ライアン・マシューズ(360万ドル/約4億円)らに次いで22番目の金額。また、ピーターソンの年俸がセインツ先発RBマーク・イングラムよりも少ないのは当然だ。
元ドラフト1位のイングラムは先シーズン、205キャリーで1,043ヤード、6タッチダウン、1キャリー平均は5.1ヤードとキャリア最高の数字を残した。また、46レシーブで319ヤード、4レシービングスコアも記録している。ここ数年間で大幅に改善したイングラムのレシーブ技術は同ポジションのライバルとなるピーターソンとの争いを有利にするだろう。
ファンにとっては今シーズン、イングラムとピーターソンのどちらがより多くの出場機会を与えられるか気になるところだ。予想からすると、先発ポジションはイングラムが維持し、ピーターソンにはティム・ハイタワーの役割であった早い段階でのダウンを狙うラン、もしくはサード・アンド・ショートやゴールライン付近におけるキャリーが任されることになりそうだ。
レシーブ能力の低さやパスブロック技術の不足を考えると、ピーターソンがパスやショットガンの多いセインツ攻撃陣にフィットするとは考えにくい。これは誰が見ても明らかだ。しかしながら、本人やチームはいずれもこの加入がチーム攻撃陣をトップレベルへと牽引するとの自信や期待を抱いている。
フリーエージェント市場で受けた冷遇により、ピーターソンは心中穏やかでなかったはずだ。32歳のピーターソンは今、周囲が間違っていたことを証明するチャンスを与えられた。『Football Outsider(フットボール・アウトサイダー)』の評価システムによれば、セインツのOLはランブロックに関してリーグナンバーワンの数字を残している。その中でケガから完全に復活したピーターソンが相手ディフェンス陣を打ち倒す姿は意外にも容易に想像できる。
奇しくもマンデーナイトで行われるセインツの第1週はピーターソンの古巣、ミネソタ・バイキングス戦。ピーターソンにはおそらく、この試合でリベンジを果たすチャンスが与えられるだろう。