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ブラウンズが4チームとトレードアップを検討

2017年04月26日(水) 13:24

クリーブランド・ブラウンズ【Aaron M. Sprecher via AP】

2017年ドラフト会議まで残り2日となり、クリーブランド・ブラウンズの動きがせわしくなってきた。

ドラフト全体1位と12位の指名権を持つブラウンズはチームの核となるクオーターバック(QB)獲得を切望している。将来チームの看板を背負えるようなQBをブラウンズは指名したいところだ。ノースカロライナ大学のミッチェル・トゥルビスキーがその筆頭候補に挙がっている。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイケル・シルバーは現地25日(火)、ブラウンズは少なくとも“指名権のトップ8を持っている4チーム”とトレードアップに関する協議を行ったと伝えた。シルバーは火曜日の“Up to the Minute Live(アップ・トゥー・ミニッツ・ライブ)”の中で次のように語っている。

「ブラウンズはその可能性について慎重に検討を重ねている。ブラウンズは少なくともトップ8を持つ3チームを考慮に入れており、すでにトレードアップの可能性について協議を行っている。これは各チームがオン・ザ・クロックの状態にいる時に起こり得ること。なぜならトゥルビスキーがターゲットの場合、予想よりも早い指名が行われる可能性もあり、全ての協議が台無しになる可能性もあることが明白だからだ」

「ブラウンズは全体1位でトゥルビスキーを獲得することも可能だが、1位以下での指名も不可能ではない。想定できるシナリオとしては12位の指名権を利用することで少し早い順番での指名権を獲得して、未来のQBトゥルビスキーを指名することだ」

ブラウンズの全体1位指名――テキサスA&M大学のディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットと予想されている――の後はサンフランシスコ・49ers、ジャクソンビル・ジャガーズ、テネシー・タイタンズ、ニューヨーク・ジェッツ、ロサンゼルス・チャージャーズ、カロライナ・パンサーズが順番に指名を行う予定だが、タイタンズとパンサーズを除き、それら全てがQBを必要としているチームだ。ロサンゼルス・チャージャーズもまた、フィリップ・リバースの後継者となるQB獲得を示唆している。

今年はどのQBもドラフトトップ10の才能とは見られていない中、NFLネットワークのドラフト解説者を務めるダニエル・ジェレマイアは当日になるまでゲームでの最重要ポジション選手に関する各チームの動きは決して読めないと語る。ドラフトデーのトレードに関しては、予想だにしないことが起こり得るのだ。

ブラウンズのトレードアップについてシルバーがほのめかしている4チームのうち3チームを分析する。

◆タイタンズ
このチームはセカンダリーの補強が急務。セーフティ(S)のジャマール・アダムス、マーション・ラティモア、マリク・フッカーらが指名候補となるが、アラバマ大学のタイトエンド(TE)O.J.ハワードも候補に挙がっている。彼ら全員が5番目までに指名されてしまった場合にブラウンズの最重要ターゲットとなるのがタイタンズ。なかなか手の内が読めないが、QBを欲しているジェッツよりも先に指名権を持つことでブラウンズは優位性を保つことが可能になる。

タイタンズのジェネラルマネジャー(GM)ジョン・ロビンソンは25日、全体5位と18位指名権に固執するかどうかは“50%”の確率であると発言。これにより、ブラウンズとの交渉次第ではタイタンズがトレードダウンする可能性も浮上した。

◆ニューヨーク・ジェッツ
ジェッツのマイク・マッカグナンGMは以前より全体6位指名権のトレードについて前向きな発言を繰り返していた。各ポジションとも層の薄さは否めないジェッツがチーム再建の年にあるのは言うまでもない。もしQB、あるいは6位までに残っているセカンダリーに心惹かれない状況になれば、ジェッツは全体6位指名権を譲渡して2巡目での才能ある若手獲得に照準を合わせることも考えられる。

しかし、先シーズンにブラウンズがカーソン・ウェンツをフィラデルフィア・イーグルスに獲られたように、ジェッツが将来チームの救世主となるかもしれないQB獲得チャンスをみすみす逃すという選択はファンの怒りを買いかねない。とりわけ、チームにジョシュ・マカウン、ブライス・ペティ、クリスチャン・ハッケンバーグといったQBしかいない現状を考えればなおさらだ。

◆カロライナ・パンサーズ
一昨年はスーパーボウルにも出場したパンサーズは各ポジションともに十分な戦力が整っている。ドラフト解説者の多くはパンサーズがトップ10のランニングバック(RB)獲得を模索していると指摘。レナード・フォーネット、クリスチャン・マカフリーがその筆頭候補だ。フォーネットは早い段階に指名されることが予想されるが、マカフリーが1巡目指名から漏れる可能性は考えられ、もしくは、ブラウンズが持つ12位指名権まで名前が挙がらない可能性もある。そうなると、パンサーズの8位指名権は他に消費できることになる。

NFLネットワークのマイク・ガラフォロはこの仮説をこのように説明した。

「マイク・シルバーがトップ8と言うにはその理由が必ずある。パンサーズには注目しておくべきだ。パンサーズには獲得を狙う複数の守備選手もいるが、彼らが8番目までに指名されることはなさそうだ。つまり、これによってパンサーズがトレードダウンする選択肢も浮上し、その後に増えた選択肢の中からチームがジョン・ロスを指名する可能性も出てくる。パンサーズは彼のスピードを気に入っており、攻撃陣に彼のスピードを加えることを望んでいる」

ブラウンズがターゲットとするのはいったいどのチームだろうか。また、チームはいつ、どの場面で全体12位指名権を巧みに利用するのだろうか。

ドラフトまで残り48時間となった今、われわれにとって明白な事はブラウンズがチームの看板となるQBを喉から手が出るほど欲しがっているということだけだ。