新人契約最終年のWRワトキンス、ビルズはオプション不行使
2017年05月03日(水) 10:07バッファロー・ビルズは現地2日(火)、2017年が新人契約の最終年にあたるワイドレシーバー(WR)サミー・ワトキンスに対する5年目オプションを行使しないと発表した。
ヘッドコーチ(HC)のショーン・マクダーモットは声明の中でこう語っている。
「今回の決断についてはサミーと私でしっかりと話し合った。サミーが素晴らしい選手であることに変わりはなく、彼はオフシーズンのリハビリについても一生懸命に取り組んでいる。2017年のフィールドで元気になった彼の姿を見ることを楽しみにしている」
オプション行使を選択していた場合、2018年にビルズはおよそ1,326万ドル(約14億8,000万円)をワトキンスに支払うことになっていた。新人契約最終年となる今シーズンのワトキンスは313万8,000ドル(約3億5,200万円)を受け取る予定だ。
ビルズはトレードアップで譲渡された2014年のドラフト全体4位指名権を使ってプレーメーカーであるRWワトキンスを獲得。この際、トレード相手に与えたのが同年ドラフト全体9位と2015年1巡目と4巡目の指名権だった。ビルズファンにとってはあまり直視したくない事実であろうが、ビルズにドラフト9位でオデル・ベッカムを指名できた可能性があったことは特筆すべき事項かもしれない。
ここ2シーズンのワトキンスが度重なる負傷に苦しんでいたこともあり、ビルズは5年目オプションの行使を見送った。23歳のワトキンスは過去2シーズンで11試合を欠場したほか、今オフシーズンには新たに足の手術を受けている。
ワトキンスの他にプレーメーカーとして機能するWRがいないビルズにとってはオプション不行使という選択はリスクのあるものだ。NFLデビュー後のワトキンスは2シーズンで2,029ヤード、125キャッチ、15タッチダウンをマークしている。しかしながら、先シーズンのワトキンスは故障も原因となって430ヤード、28キャッチ、2得点という壊滅的な成績に終わっていた。
今年1年を通してワトキンスの健康状態が安定すれば、オプションが行使されなかったという事実は本人にとって幸運と言えよう。もし今シーズンのワトキンスが優れたパフォーマンスを披露した場合、チームは彼を残留させるためにフランチャイズタグを付与せざるを得なくなる。そしてそのタグはおそらく、5年目オプションで支払う額よりも大きくなることが予想される。
ビルズの実権を握るのはマクダーモットHCだ。2017年のワトキンスが自身の能力をフルに発揮すれば、今回の決定は愚かであったとの烙印を押されかねない。しかし反対に、もし再びワトキンスが故障を繰り返すような事態になれば、ビルズは1,300万ドル超え(15億円弱)もの大金を無駄にしなくて済む好判断を下したと語られるだろう。