ペイトリオッツがRBブラントに珍しいテンダーを提示
2017年05月11日(木) 09:53ニューイングランド・ペイトリオッツがランニングバック(RB)レギャレット・ブラントに対してめったに使用されないテンダーを行使した。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地10日(水)、“Up To The Minute Live(アップ・トゥ・ミニット・ライブ)”の中で今回の動きに関する詳細を語った。
「各チームには未契約の無制限フリーエージェント(FA)選手に対するテンダーを提示することが昨晩深夜12時までは可能であった。つまり、基本的にはこの期限をもってチームが無制限のFA選手を全員リリースし、“それでは皆さん、他のチームと契約して下さい。わたしたちはもう補償となるドラフト指名権を必要としませんし、あなた方への権利もありません”と言うようなものだ。ペイトリオッツにはそのようなリストがあり、最終的にミネソタ・バイキングス移籍となったマイケル・フロイドの名前もそのリスト上にあった。グレッグ・スクラッグスの名前もまた、同様にリストアップされていた。ただし、レギャレット・ブラントはその対象とされておらず、今朝、なぜ彼がそうならなかったかについて考えていた。ペイトリオッツが実質的にまだ彼の権利を保持する理由はおそらく、ブラントが他のチームと契約した際の見返りをチームが望んでいたからなのであろう。厳しくも冷徹なビジネス的決定ではあるが、それがペイトリオッツの行ったことだ」
最初に今回の動きを報じたのは『Pro Football Talk(プロフットボール・トーク)』だった。
あまり見られないこのテンダーによると、ブラントは今年の7月22日(土)までは他チームとの交渉が可能である。仮にその日時までにブラントが他チームとの契約を締結しない場合、第10週が終わるまではペイトリオッツのみと契約を交わすか、欠場するしかない。ブラントはこのテンダーによって110万ドル(約1億2,600万円)を受け取ることになるだろうとラポポートは伝えた。
ブラントの新天地としてここ数週間にかけて浮上しているのはニューヨーク・ジャイアンツとデトロイト・ライオンズだ。
ドラフト指名権獲得のため、ペイトリオッツは無慈悲なビジネス的判断でブラントを利用する。5月9日までに契約を交わしたその他の無制限FA選手についてはこの問題に関係なく、10日にバイキングス入りが決定したフロイドへの補償としてペイトリオッツにドラフト指名権が与えられることもない。
先シーズンは299キャリー、1,161ヤード、リーグトップの18タッチダウンをマークしているブラントだが、今オフシーズンのペイトリオッツはすでにレックス・バークヘッド、マイク・ギリスリーを獲得してバックフィールドの強化をほぼ完了させていた。この2選手の獲得はブラントの放出を暗示していたとも言える。
ヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックによる今週の決定はブラントの市場価値を弱める冷酷なものであり、たとえペイトリオッツ残留が決まったとしてもブラントの年俸は減額となる。また、7月22日までに他チームとの契約に至った場合でもドラフト指名権の補償が与えられるペイトリオッツにデメリットはないだろう。