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ロサンゼルスの新スタジアム落成が2020年に延期

2017年05月19日(金) 11:54


建設作業が遅れるイングルウッドの新スタジアム【NFL Contributor via AP Images】

カリフォルニア州イングルウッドに建設中の新スタジアムのオープンが2020年まで延期された。ロサンゼルスに本拠を構えるラムズとチャージャーズが共同でこのスタジアムをホームとする予定だ。

両チームは現地11日(木)、スタジアム完成が1年先延ばしになったことを認め、この遅れの原因が予想外の雨量によるものだと声明の中で発表している。両チームによれば、2019年に予定されていた共同スタジアムのオープンは2020年夏になる見込みだという。

『The Los Angeles Times(ザ・ロサンゼルス・タイムス)』は建設会社がスタジアムの開発に着手したのは2016年11月のことだったと伝えている。

ラムズは「残念だがこの冬、南カリフォルニアは記録的な豪雨に見舞われた。この地域の干ばつ被害が軽減されたのは良いことだが、降雨の影響で工事の一部である掘削作業が滞ってしまった。その結果、今年の1月初旬から3月初旬にかけての工程に重大な遅れが生じた」との声明を出している。

ザ・ロサンゼルス・タイムスによれば、予定されていた掘削作業期間中の降水はその地域全体を“湖”にしてしまうほどの激しさだったとのこと。同紙はまた、ロサンゼルス国際空港付近の地域では昨年11月から今年の2月にかけて例年のおよそ2倍以上にあたる約39cmの降水量が記録されたとも伝えている。

チャージャーズは暫定スタジアムとして2019年シーズン終了までロサンゼルス郊外のカーソン市にある3万人が収容可能なスタブハブ・センターを利用する予定。一方で、ラムズはロサンゼルス・メモリアル・コロシアムをもう2年間ホームとすることになっている。

チャージャーズ球団社長であるアレックス・G・スパノスは声明の中で、新スタジアムは完璧なオープニングを飾りたいと語っている。

「われわれはいつもファンの目線に立って考えている。わがチームのホームはリーグの中でも最高のスタジアムとなり、チャージャーズファンに夢のような時間を提供する空間となるだろう。完璧なオープニングを迎えるために必要であるならば、完成日が1年遅れることは致し方ないと思う」

「建設はわれわれの家業なので、今回のような巨大なプロジェクトにおける困難は理解できる。現在のスタブハブ・センターでもNFL観戦においては唯一無二の体験をすることが可能だと思う。生のプレーをこんなに近くで見られる場所はここ以外ないだろう。カーソン市での残りの3年をファンの皆も楽しんでくれると信じている」

チャージャーズのヘッドコーチ(HC)であるアンソニー・リンもまた、スタブハブ・センターが自軍にとって有利な場所になるとしてその使用を歓迎している。

新スタジアム建設の進捗状況と言えば、予定地は現段階で約27mが完全に掘り起こされた状態だとラムズは認識しており、建設作業員らはすでに“460万立方メートルの土を除去”している模様だ。

ロサンゼルスの新スタジアムは2021年第55回スーパーボウルの開催地候補にも挙がっているが、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはスーパーボウルの開催スタジアムとなるにはゲームの2年前からオープンしている必要があるため、今回の新スタジアムはその候補リストから名前が外されそうだと報じた。

ロサンゼルス・スタジアムの公式サイトによると、7万席を備えるスタジアムは6,000人が収容可能なアートパフォーマンス場や広大なオフィススペース、“現代的”な居住地、約10万平方メートルの一般駐車場、そして歩行者と自転車専用の歩道を備えたものになる予定だ。

巨額の2,600万ドル(約29億円)を投じて進められる新スタジアムの建設。この場所はニュージャージー州のメットライフ・スタジアム以降で初めて、複数のNFLチームが同時にホームとするスタジアムになる。