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OCサルキシャン抜てきのプロセスを明かすファルコンズ

2017年05月25日(木) 10:37


スティーブ・サルキシャン【Johnny Vy via AP】

アトランタ・ファルコンズは今オフシーズン、リーグ最高の攻撃コーディネーター(OC)カイル・シャナハンに代わって禁断の切り札を招聘(しょうへい)した。

ファルコンズはかつて南カリフォルニア大学やワシントン大学でヘッドコーチ(HC)を務め、昨年はアラバマ大学の攻撃アナリスト兼OCを務めたスティーブ・サルキシャンをOCに任命してフットボール界に衝撃を走らせた。サルキシャンはアルコール依存症を克服するために一時試合から遠ざかっていた人物だ。

今年の2月、スーパーボウル史上最大の逆転負けで精神的大ダメージを受けたファルコンズにとってOCの決定はひときわ重たい決定事項だった。ジェネラルマネジャー(GM)のトーマス・ディミトロフとヘッドコーチ(HC)のダン・クインは現地24日(水)に放送された『Good Morning Football(グッド・モーニング・フットボール)』の中でサルキシャン招聘(しょうへい)までのプロセスを明かした。

クインは「スティーブが依存症を乗り越えるために治療に取り組み、一連のプロセスを経なければならなかったこと、そして彼が実際にそれをやり遂げたことをわれわれは知っている。トーマスがNFLやカレッジに持つさまざまな情報を元に彼のバックグラウンドを調べ、直接会った結果、われわれはサルキシャンにはもう問題を起こすような兆候が見られないと判断した」と語り、続けて「この問題についてあれこれ騒ぐのではなく、話し合いをもって解決に取り組むつもり」とも述べた。

また、ディミトロフは「サルキシャンはダンと話し合い、彼はその他のコーチ陣とも挨拶を交わした。もう選手たちとも会話をしている。彼は自分のやるべきことが分かっていて、われわれもそういったコーチを求めていた。何か問題のある選手がいればすぐに対処していきたい。軽く流すような真似をするつもりはない。こういった問題については他のチームも同じように扱うだろうが、われわれはより強くその意識を持っている。これがこのチーム内の関係性を良好に保てている秘訣(ひけつ)だ。今すぐ対処すべき問題があれば真正面から立ち向かう。そうでなければ、いつまでも尾を引きずってしまうことになる」と発言した。

つまるところ、これらの判断は実践面での影響を考慮したものであったとの見方が強い。前OCシャナハンが構築したゾーンスキームやプレーアクションに精通する人物の獲得をクインHCが目論んでいたゆえに、チームは以前からサルキシャンに目を付けており、チップ・ケリーともつながりを持っていたのだ。

クインは24日、ファルコンズの攻撃戦略においてはサルキシャンが最適だったと明かしている。

もしこの策が成功するならば、アトランタでクインとディミトロフの2人が築き上げてきた関係性はより強固なものになるだろう。ニューイングランド・ペイトリオッツとシアトル・シーホークスの2チームはしばしばリーグでも最も雰囲気の良いチームであると語られるものの、今オフシーズンのファルコンズが今年2月の歴史的敗戦を受け入れて前へ進もうとする姿には印象的だ。彼らはたとえ何かトラブルに陥ったとしても必ず解決する方法があるという姿勢を崩さない。