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ジェッツがようやく将来のQB問題に着手か

2017年06月08日(木) 12:46


ニューヨーク・ジェッツのクリスチャン・ハッケンバーグ【AP Photo/Seth Wenig】

ニューヨーク・ジェッツは現地6日(火)、チームでベストのベテランワイドレシーバー(WR)2人を放出した。他チームの上層部による発言を借りれば、現在のジェッツのロースターは“10年間でワースト”であるとのことだ。

複数のジェッツ専門記者は同チームが意図的に敗戦を希望しているのではないかと強く非難している。その一方で、ジェネラルマネジャー(GM)のマイク・マッカグナンがその疑問を明白に否定することはなかった。

『New York Post(ザ・ニューヨーク・ポスト)』を通じてマッカグナンは「われわれはそんなことに力を注いではいない」と語り、続けて「われわれはチームを今後どのように前進させていくかを考えているのであって、そんなことを重要視してはいない」と明かしている。

チームの若返りはしばしば称賛されることもあるが、今月のジェッツはこれまでチームの核となってきたベテラン陣までを放出してしまった。同チームはまた、クオーターバック(QB)クリスチャン・ハッケンバーグの新機軸を放棄するか、あるいは、少なくともその計画段階であると指摘され、同選手やその他QBに混乱を生じさせる可能も否定できない。

いずれにせよ敗戦が濃厚なのであれば、同チームがなぜ1シーズンを通してハッケンバーグを先発起用しないのかという疑問も出てくる。だが、よくよく考えれば前年はあまりに準備不足だったため、シーズンを通して“赤シャツ”扱いだった選手がその翌年、もともと貧弱だった戦力がさらにスケールダウンしたロースターと共に先発しようとしているのだ。来季ドラフトでビッグ3のQBのうち1人を指名できる権利にはどれほどの価値があるのだろうか。

チーム内ナンバーワンWRだったエリック・デッカーもすでにニューヨークを去った。クインシー・エヌンワやロビー・アンダーソンが先発WRとなり、出場停止処分中のジャリン・マーシャルが次点でのレギュラー候補だ。オースティン・セフェリアン・ジェンキンスも先発タイトエンド(TE)に復帰し、レフトタックル(LT)はケルビン・ビーチャム、ライトタックル(RT)はブレント・クベールが先発となる。

たとえ自らのパフォーマンスに自信があったとしても、この面々ではハッケンバーグのキャリアに明るい光は見えてこない。

火曜日の晩、ハッケンバーグは『NorthJersey.com』に対して「自分が活躍できるのは分かっている。コーチも俺ができることは分かっている。自分の能力に自信があるし、チャンスがあればいつでもそれを証明したい。このリーグのレベルでも自分がプレーできるということ、そして、高いレベルのパフォーマンスを披露する自信がある。チャンスがあれば絶対に生かしたい」と発言している。

ジェッツに関しては短期的な目線でしか見られていないのが現状だろう。ここ数年間は殻に閉じこもっていた同チームが今、ようやくその重い腰を上げて3、4年後を視野に改革を行おうとしている。一方で、この改革がもたらす犠牲はどの程度になるのか。

故障癖を持つ37歳のジョシュ・マカウンはこの攻撃陣での戦いについて何を思うのだろう。そして、ハッケンバーグが成長したいのは本当にこのチームなのか、もしくは本当にこのチームで成長できるのかも、今のところは分からない。