ニュース

6チームに打倒ペイトリオッツのチャンス?

2017年06月08日(木) 11:21


ニューイングランド・ペイトリオッツの勝利決まり紙吹雪が舞うNRGスタジアム【Aaron M. Sprecher via AP】

今週初め、元ニューイングランド・ペイトリオッツのダンテ・ストールワースは『ESPN.com』に対し、2017年のペイトリオッツのロースターがレギュラーシーズンで全勝を果たした2007年よりも強い布陣だと指摘した。同チームにランディ・モスはもういないが、ブランディン・クックス、ロブ・グロンコウスキー、ジュリアン・エデルマン、ダニー・アメンドーラ、クリス・ホーガン、マルコム・ミッチェル、ドウェイン・アレン、アンドリュー・ホーキンスらをロースターに抱えるペイトリオッツがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)を制覇して第52回スーパーボウルに出場するだろうと信じる者は多い。

今オフシーズン中、歴代最高のチームについて再考した際にもストールワースは今年のペイトリオッツを2007年の同チームと比較して考察していた。今年のペイトリオッツを取り巻く期待は本物だ。しかし、また別のアングルから考えたとき、2007年版のニューヨーク・ジャイアンツになるのはいったいどのチームだろうか。シーズンを無敗で勝ち進んだペイトリオッツの夢を第42回スーパーボウルで打ち砕いたのはジャイアンツだった。2017年のレギュラーシーズン、あるいは、プレーオフでどのチームがペイトリオッツに土を付けるのか。

こちらにその可能性が有りそうな6チームを挙げる。

1.ピッツバーグ・スティーラーズ

レギュラーシーズンのペイトリオッツ戦:12月17日(第15週)@ハインツ・フィールド

理由:まず、クオーターバック(QB)ベン・ロスリスバーガーがビル・ベリチックに対して3勝5敗という戦績を残していることが挙げられる。同選手以外にペイトリオッツと過去に12度も対戦したことのあるQBはいない。また、彼をサポートする面々が過去数年でベストであることもその理由の1つ。新人のラインバッカー(LB)T.J.ワットとワイドレシーバー(WR)ジュジュ・スミス・シュスターは層の薄いロースターにおいて即戦力となる逸材だ。

2.ニューヨーク・ジャイアンツ

レギュラーシーズンのペイトリオッツ戦:なし

理由:今シーズン、ジャイアンツがペイトリオッツに黒星を付けられるチャンスはスーパーボウルしかない。ペイトリオッツのWR陣を封じる力を持つコーナーバック(CB)をそろえたチームは存在しないかもしれないが、セカンダリー陣の強化を行ったジャイアンツであればペイトリオッツの猛威を抑え込むことも不可能ではなさそうだ。実力派のCBイーライ・アップルは健在で、CBジャノリス・ジェンキンスもその能力の高さが正当に評価されつつある。また、CBドミニク・ロジャース・クロマティーの存在も大きい。セーフティ(S)ランドン・コリンズはおそらく、グロンコウスキーにも当たり負けない数少ないディフェンス選手だ。同時に、内側の守備陣がペイトリオッツによるランゲームの支配を阻止する。今シーズン、ペイトリオッツの攻撃を食い止めるのはジャイアンツかもしれない。

3.アトランタ・ファルコンズ

理由:逆転負けは喫したものの、昨年度のスーパーボウルで王者から25点のリードを奪っていたという事実は忘れてはならない。今オフシーズン、ジェネラルマネジャー(GM)のトーマス・ディミトロフとヘッドコーチ(HC)のダン・クインは静かに現状を受け入れようとしているように見えるが、それは単なる表面的なものにとどまらない姿勢でなくてはならない。ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディを倒すための要素と言えば、ディフェンスによるプレッシャー、攻撃陣を支える優良なQB、巧みなランゲーム技術だろう。ファルコンズはフリーエージェント(FA)でドンタリ・ポーと今ドラフト1巡目でディフェンシブエンド(DE)タカリスト・マッキンリーをチームに加えた。スーパーボウルで勝利を目前にしてペイトリオッツに敗れ、立ち直る気配のなかったシアトル・シーホークスの前例は懸念されるが、ファルコンズをこの候補から外すことはできない。

4.オークランド・レイダース

レギュラーシーズンのペイトリオッツ戦:11月19日(第11週)@エスタディオ・エステカ・スタジアム(メキシコシティ)

理由:往年の実力を保っているように見えるマーショーン・リンチの復活が1つ目のカギとなる。まるで機械のように効率的な攻撃を展開するブレイディを止めるには十分でないかもしれないが、理論上はその守備陣も改善されているレイダース。リーグナンバーワンDEと言えるカリル・マックはフィールドのどこからでもラッシュが可能であり、先シーズンのプレーオフでヒューストン・テキサンズが見せたAギャップへのラッシュはペイトリオッツ攻略の糸口となるかもしれない。そして、チームの若き大黒柱であるQBデレック・カーには相当な期待が寄せられている。カーが新加入のリンチやレシーバーたちを最大限に利用できるかどうかが重要なポイントだろう。

5.マイアミ・ドルフィンズ

レギュラーシーズンのペイトリオッツ戦:11月26日(第12週)@ジレット・スタジアム、12月11日(第14週)@ハードロック・スタジアム

理由:まれではあるが、AFC東地区の対戦相手がペイトリオッツを苦しめることがある。レックス・ライアン政権下のニューヨーク・ジェッツがそのうちの1チームだったが、アダム・ゲイズ率いるドルフィンズもまた、ペイトリオッツを手こずらせる相手となりそうだ。今シーズンのドルフィンズは例年よりもベテラン陣に頼るロースターを形成して賭けにでた。多くの意味で、ドルフィンズは早期ライアン政権のジェッツと同様のチーム状況と言える。WRやRBにスター選手を抱え、LBやディフェンシブタックル(DT)にも粒がそろうドルフィンズだが、1つ不安な要素を挙げるとすればそのディフェンシブバック(DB)陣であろう。先シーズン、CBバイロン・マックスウェルがポテンシャルの高さを見せつけてはいたものの、エンダマカン・スー、キャメロン・ウェイク、チャールズ・ハリスらその他選手にもその潜在能力を最大限に発揮してほしいところだ。

6.シアトル・シーホークス

レギュラーシーズンのペイトリオッツ戦:なし

理由:ジャイアンツ同様、シーホークスがペイトリオッツを倒すチャンスはスーパーボウルしかないが、ブレイディ/ベリチック時代が終焉(しゅうえん)を迎える前にシーホークスは何としてでも前回のリベンジを果たしておきたいところだ。実際のところ、同チームのロースターにはスーパーボウルのような一大決戦にも怯(ひる)まないスター選手は多い。QBラッセル・ウィルソンの見事なパフォーマンスもあり、昨季のレギュラーシーズンでシーホークスはペイトリオッツに黒星を付けている。この試合でシーホークスのディフェンス陣は効率良くボールをラッシュし、激しいインターセプトを受けたブレイディは2度も地面に転倒した。同チームはボールラッシュに関し、今オフシーズンにさらなる強化を行ってもいる。