予想通り、ピッツバーグ・スティーラーズのランニングバック（RB）リビオン・ベルはまだトレーニング・キャンプに姿を現していない。

フランチャイズのタグ付けがされた選手にとっては、先月17日（土）が長期契約締結の締め切り日だった。この期限までに契約合意に至らなかったベルは、おそらくあと数週間はキャンプに参加しないと『NFL Network（NFLネットワーク）』のイアン・ラポポートは報じている。

今年のベルは1,210万ドル（約13億4,300万円）のタグでプレーすることになるが、キャンプに欠席に対してまだテンダーにサインしていないベルに制裁が科されることはない。

先週、同選手はキャンプ後半からの参加を『ESPN』のジェレミー・ファウラーにほのめかしていた。

「俺なりの準備方法なんだ。俺が必要なのは数回の練習と多少の試合感覚のみ。それについてはあまり深く考えていない。今はどうしようか悩んでいるところ。交渉はうまくいくと思っていたからね。1日1日様子を見ながらいこうと思う」

結局、ベルはキャンプ前半の欠席という手段を採った。

カンザスシティ・チーフスのセーフティ（S）エリック・ベリーが先シーズンにそうしたように、ベルもまた、プレシーズンゲームが開始する直前まではキャンプに現れないのかもしれない。

27日、ヘッドコーチ（HC）のマイク・トムリンは記者に対して「ベルには参加してもらいたいのは当然だ。私は今ここにいる全員に最大限のエネルギーを注ぐつもり。チームと彼とはなかなか思いが通じずに残念な状況ではある。リベオンとは良いコミュニケーションが取れている。彼と話したことを信じる。リベオンはフットボールをプレーする準備をしているに違いない。彼がいつここに来るのかは分からないが、私は今ここにいる選手に集中し続けるし、彼らがより改善できるように指導したい。リベオンが来たら皆と同様だ」とその胸中を明かした。

ワイドレシーバー（WR）アントニオ・ブラウンらチームメイトもベルが早くキャンプに参加するように呼び掛けている。今年2月に5年7,200万ドル（約80億円）の新契約を提示されたブラウンの状況はベルと異なり、キャンプに姿を見せるべきだと論じるのも簡単だ。一方のベルは、自身にはチームが提示するよりも“もっと価値がある”との認識を示している。

現在はNFLネットワークの解説者を務め、ベルの元チームメイトであるアイク・テイラーによれば、ベルはRBとしてリーグ最高額、あるいは、リーグ2番目に高額なレシーバーの年俸に並ぶ額を希望しているようだ。実際に、先シーズンのスティーラーズではベルがブラウンに次いでレシーブヤードを稼いだ選手となっている。

今季終了まで長期契約を議論することが不可能となった今、ベルがチームに対して主張する唯一の手段がキャンプへの不参加ということなのだろう。