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テキサンズ、NTウィルフォークがCMで引退を宣言

2017年08月08日(火) 12:23

ヒューストン・テキサンズのビンス・ウィルフォーク【Matt Patterson via AP】

現地7日(月)、ヒューストン・テキサンズに所属するリーグトップクラスのノーズタックル(NT)ビンス・ウィルフォークが一風変わった形で引退を表明した。今の世代にはもう大掛かりな引退用の記者会見の場は必要ないのかもしれない。

昨年、チームがプレーオフで敗戦を喫してから、自身の引退についてもほのめかしてきたウィルフォーク。35歳のNTは自身が出演したスポンサー企業『Kingsford Barbecue(キングスフォード・バーベキュー)』の宣伝動画の中でキャリアの幕引きを宣言した。その動画の内容からすると、ウィルフォークが次に目指すは“焼肉王”のようだ。

2004年にニューイングランド・ペイトリオッツからドラフト1巡目で指名を受けたウィルフォークはビル・ベリチックヘッドコーチ(HC)の下、2度のスーパーボウル制覇に貢献している。5度のプロボウル出場を果たしたウィルフォークは2012年にファーストチームのオールプロに選ばれ、セカンドチームのオールプロにはキャリアを通じて3度選出されている。同選手はキャリア通算559タックル、16サック、12ファンブルリカバー、24パスブレイク、3インターセプト、5ファンブルフォースドを積み上げた。

残念なことに、ウィルフォークの一番の特徴である“威圧感”は数字に表せない。このNTが相手攻撃陣に与えたプレッシャーがチームの勝利に大きく寄与していたのは間違いない。

現代のNFLにおいてNTは終わりかけのポジションであるとも揶揄(やゆ)されるが、ベリチックHCによる戦術下でのウィルフォークは圧倒的な存在感を放った。たとえダブルチームを組まれようと、バックフィールドに大量の選手をつぎ込まれようと、150kgを超す巨漢に対抗する術はしばしば相手チームになかった。

ウィルフォークは今やトレードマークとなったデニムの特注オーバーオールを着こなし、新天地ヒューストンの街でも多くのファンに愛されるキャラクターだった。だが、人気を博した理由はそれだけではない。過去10年間、ウィルフォークによるプレーが誰にも止められなかったこと、数字には出てこないものの、その存在が多くの試合の流れを変えたことに気づいているNFLファンは大勢いる。そんなウィルフォークがいつの日か殿堂入りの候補に入っても不思議ではないだろう。