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ついに決着! ブロンコスがシーミアンを先発QBに指名

2017年08月22日(火) 09:47


デンバー・ブロンコスのトレバー・シーミアン【AP Photo/Charles Rex Arbogast】

堅実なプレーを見せ続けたトレバー・シーミアンがデンバー・ブロンコスの先発クオーターバック(QB)争いに勝利を収めた。

現地21日(月)、記者会見を開いたヘッドコーチ(HC)バンス・ジョセフがシーミアンをチームの先発QBに指名した。

ジョセフHCは「トレバーは想像以上に安定したパフォーマンスを見せてくれた。トレバーがそれにふさわしい」と語った。

地方ラジオ番組『104.3 The Fan(104.3ザ・ファン)』で元ブロンコスのワイドレシーバー(WR)ブランドン・ストークリーが最初にこのニュースを報じた。

大方の予想通り、プレシーズンの2戦を通じて先発QBの座を射止めたのはシーミアンだった。シーミアンは元ドラフト1巡目指名選手であるパクストン・リンチよりも安定したパフォーマンスでチームを牽引している。

ジョセフHCはシーミアンを先発QBに指名した流れを次のように説明した。

「両者とも本当によく頑張ったが、攻撃陣を牽引する能力、判断力、制球力、これらを総合的に判断した結果、トレバーの方がより安定していると感じた。これが彼を指名した理由だ。今朝、彼らとは直接会った。チームミーティングを終え、皆も理解を示してくれたと思う。これからもパクストンが成長できるように全員でサポートしていく。彼は若い選手だし、まだまだ未来は明るい。個人的に、このチームには2人の先発QBがいると思っている。ほとんどのチームにはこんなことは言えないはずだ」

プレシーズン中、シーミアンは18回のパスを投げて14回を成功させ、144ヤード、アテンプト平均8.0ヤード、1タッチダウン、インターセプトなし、パスレーティングは118.5を記録。一方のリンチは相手守備陣に対する読みがまだ甘く、パス22回中15回の成功で81ヤード、アテンプト平均3.7ヤード、タッチダウンとインターセプトは共に記録しておらず、パスレーティングは74.2となっている。

この春と夏を通し、ブロンコスはリンチに対して多くのチャンスを与えてきた。しかしながら、プレーオフ進出を狙うチームにとっては2年目QBのリンチの技術はまだまだ荒削りであったようだ。19日のプレシーズン第2戦でも、読みを外したリンチがその自慢の強肩を生かせないままショートパスを投じる場面が多く見られている。

シーミアンの先発QB決定の知らせはリンチにとって非常に残念な結果だったはずだ。彼はジェネラルマネジャー(GM)ジョン・エルウェイによってブロンコスの将来を担うQBだとも言われていた。チームは1年目を終えた23歳のリンチの大幅な成長に期待していたものの、彼にとっては攻撃パターンの学習が不十分だったようだ。

血筋的にも身体的にも際立った特徴のないシーミアンではあるが、先シーズンの彼は仲間からのプロテクションさえあれば一人前に攻撃陣を牽引できることを証明した。強い肩を持つわけではないが、全てのスローに安定感を見せるドラフト7巡目指名の選手は日々成長する姿を見せ、時には相手ディフェンシブバックからのプレッシャーを意図的に受ける余裕さえも見せている。

シーミアンは過度に期待された選手ではなかったかもしれない。それでも、今やブロンコスが今シーズンを勝ち抜くためには先発QBに彼を指名する必要がある。