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ブラウンズ、新人カイザーを初戦先発QBに指名

2017年08月28日(月) 09:41

クリーブランド・ブラウンズのデショーン・カイザー【AP Photo/Phelan Ebenhack】

クリーブランド・ブラウンズの新人デショーン・カイザーが先発クオーターバック(QB)争いに勝利を収めた。

現地27日(日)、ヘッドコーチ(HC)ヒュー・ジャクソンは電話会議の中でカイザーをレギュラーシーズン第1週目の先発QBに指名すると伝えた。

このニュースはカイザーがプレシーズン戦の初先発を経験した翌日に伝えられた。カイザーはブラウンズにとってレギュラーシーズンの開幕戦となるピッツバーグ・スティーラーズ戦で先発デビューを果たすことになる。

ノートルダム大学から指名を受けた1年目の彼は先週土曜日の試合でも、今やチーム攻撃陣の核とも言える2年目のワイドレシーバー(WR)コーリー・コールマンを巧みに使ってアピールを続けていた。この試合でカイザーはパス18回中6回の成功で93ヤード、1インターセプトの成績を収めている。

ジャクソンHCは日曜日、カイザーの先発指名を行った際に同選手のポケット内やプロテクションを受けた際の落ち着いた動き、その他の能力について静かに語り、メディアに向けて次のようにコメントした。

「プレシーズンを通してデショーンはこの役割を与えられるだけの活躍をした。彼は彼自身のリズムを作り、チームメイトからの信頼を勝ち取ったと思っている。チームとして前進していく中で、チームメイトから得た信頼はデショーンが攻撃陣を引っ張っていく上ではとても大切であり、それがチームの成功へとつながっていくはずだ」

「オフシーズンに彼が成長していく姿を見るのは楽しかった。彼は本当に若いクオーターバックだし、まだまだ学ぶべきこともある。学習しながら、多くの経験値も積んでほしい。そうするためには試合に出るしかない。デショーンの今後に関してはわれわれ全員が期待している」

ブラウンズでレギュラーシーズン第1週目の試合で先発を務める新人QBは2012年のブランドン・ウィーデン以来だ。

カイザーが指名されたことにより、ブロック・オズワイラー、コーディ・ケスラー、ケビン・ホーガンらが自動的にバックアップを務めることになる。オズワイラーはプレシーズンゲームで2度に渡って先発起用されたものの、その後にはトレード、あるいは、カットの可能性までもうわさされている。ただ、トレードを試みようにもヒューストン・テキサンズから引き継いだ1,600万ドル(約17億5,000万円)の年俸がネックとなる。今シーズンの地区タイトル争いは厳しいと予想されているブラウンズにおいて、ケスラーとホーガンの2人でバックアップは事足りるとも言える。

スティーラーズ戦とその翌週に開催されるボルティモア・レイブンズ戦のパフォーマンスを通して、それ以降もカイザーが起用されるかどうかが見極められるだろう。

来年のドラフトは優良なQBが豊作だとうたわれる中、今シーズンの終了時点までにチームがどれだけのQBを保持しているのか把握しなければならない。今後はブラウンズのQB評価方法にも一工夫が必要になるはずだ。2017年のドラフト2巡目指名QBが屋台骨を支えるチームのエースへと成長するのか、あるいは、来季のドラフト上位でまた新たなQBを指名することになるのか。

今のところ、カイザーの活躍ぶりにはブラウンズやそのファンたちも落ち着いた様相を呈してはいる。ただし、彼がメディアの洗礼を浴びるのも時間の問題だろう。

最後にジャクソンHCはこうに締めた。

「今はその時ではない。デショーンを試合で使い、難しい状況をどう乗り切っていくかを試していく。批判などはいずれ浴びるもの。われわれもそれは分かっている。デショーン自身もそのことについては理解していると思うし、われわれも外部の指摘などから目をそらすつもりはない。弱点があれば修正し、チームの改善に務めるだけだ」