プレシーズン第4週カウボーイズ対テキサンズ戦は中止
2017年08月31日(木) 10:26現地31日(木)にテキサス州アーリントンにあるAT&Tスタジアムで開催予定となっていたダラス・カウボーイズ対ヒューストン・テキサンズの一戦が中止となった。両チームが揃って試合が開催されない旨、正式に発表している。
この試合は先日、テキサス州南東部に大規模な洪水被害をもたらしたハリケーン“ハービー”による影響で試合会場をヒューストンからアーリントンへと変更したばかりだった。『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロが伝えるところによると、今回の中止決定はヒューストンに戻る選手やその家族らの安全面を考慮した結果だったとのこと。
試合中止のニュースは同番組のイアン・ラポポートとガラフォロによって最初に報道された。
先週土曜日のニューオーリンズ・セインツ戦後、飛行機ではヒューストンに戻らないという選択を採っていたテキサンズ。今週前半はテキサス州フリスコにあるカウボーイズの施設で練習を続けていたが、30日にテキサンズが発行した声明の中ではバスを使用してヒューストンに戻ることが明かされた。以下はその声明の一部である。
「地方当局が安全な帰還ルートを見いだしたことを受け、テキサンズはヒューストンへと戻ることを決めた。ダラスで31日に開催予定だったプレシーズン第4戦は今回の判断によって中止となることが決定した。現時点で、われわれチーム組織が第一優先にするのは選手、コーチ、チームスタッフが安全に帰宅することであり、避難している家族と彼らが無事に再会を果たすことだ。いち早く地元に戻り、ハリケーン“ハービー”によって被害を受けたヒューストン地域を積極的に助けるのがわれわれの使命である」
また、テキサンズはこの声明の中で今回のような困難な状況において協力的な姿勢を見せてくれたダラス・カウボーイズやNFL関係者の全てに心からの感謝を伝えている。
チームがヒューストンに向けて出発する前、テキサンズのジェネラルマネジャー(GM)リック・スミスはテキサス州プラノの記者に対して次のように語った。
「今日まではチームが安全に地元に戻る手段はなかった。その手段が見つからず、帰ることが不可能だった。ようやくその選択肢が浮上した今、地元で発生しているさまざまな出来事で混乱した選手たちにフットボールの試合に出ろというのは酷であろう。フェアな判断ではないと私は思った。それゆえ、安全に帰還できるルートが見つかったこのタイミングで試合中止の決断に至った。全員が無事に帰還するためだ」
NFLネットワークのスティーブ・ワイチに対し、カウボーイズのラインバッカー(LB)ショーン・リーはテキサンズがようやく帰路につけて「良かった」と語り、カウボーイズの選手が試合の中止を“当然の判断”と捉えているとも語った。
リーはまた、カウボーイズの複数選手がハリケーン“ハービー”の被害にあった地域や人々の支援活動を行う計画を立てているとも明かしている。
今週、テキサンズの選手はもちろんのこと、その他大勢のNFL関係者が募金活動に励んだ。テキサンズのスターディフェンシブエンド(DE)であるJ.J.ワットはすでに500万ドル(約5億5,000万円)を集め、新たな目標に600万ドル(約6億6,000万円)を掲げている。テキサンズオーナーのボブ・マクネアもヒューストンの洪水救済基金に対して100万ドル(約1億1,000万円)を寄付した。
これらに加え、NFL財団やカウボーイズ球団副社長を務めるシャーロット・ジョーンズ・アンダーソンも今週初めに100万ドルを、ニューイングランド・ペイトリオッツオーナーのロバート・クラフトもまた、米国赤十字社に100万ドルを寄付している。ニューヨーク・ジェッツとジョンソン一族からも同赤十字社に対して100万ドルが寄付され、テネシー・タイタンズの筆頭株主であるエイミー・アダムス・ストランクはDEワットの募金活動に100万ドルを支援した。
28日、テキサンズのヘッドコーチ(HC)ビル・オブライエンは「集められたこれらのお金は誠意をもってヒューストン地域の復興に充てさせてもらう」と述べている。
オブライエンHCは最後に、2017年のテキサンズがより一丸となってヒューストンの街を盛り上げていくことを誓った。