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NFLがエリオット側の要請する仮差し止めに抗議申請

2017年09月12日(火) 11:22

ダラス・カウボーイズのエゼキエル・エリオット【AP Photo/Ron Jenkins】

ダラス・カウボーイズのランニングバック(RB)エゼキエル・エリオットに関する裁判において、NFLとNFL選手会の争いは止むことを知らない。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロは現地11日(月)、裁判記録の情報としてNFLがアメリカ連邦裁判所にNFL選手会が要請した仮差し止めに対しての抗議申請を行ったと報じた。

これは地区連邦地方裁判所のエイモス・マッツァント三世判事が先週金曜日に仮差し止めを承諾し、エリオットの6試合の出場停止処分を保留にしたことを受けての動きとなった。

このNFL側による申請はエリオットの提出処分を当初の判断通りに実行するよう訴えており、この裁判がさらに長引くことは免れられなくなった。マッツァント三世判事は先週、NFLのコミッショナーであるロジャー・グッデルから指名を受けた仲裁人ハロルド・ヘンダーソン氏による控訴尋問で、エリオットが「根本的に公平な審理を受けていなかった」と自身の見解を示していた。

NFLネットワークのマイク・ガラフォロとイアン・ラポポートが指摘するに、リーグは今年中にエリオットへの処分を実行したい意向だとのこと。NFLのスポークスマンであるジョー・ロックハートもまた、エリオットはコミッショナーの免除リストには登録されないだろうと語っている。

マッツァント三世判事は先週の判決文で次のようにつづっていた。

「裁判以前の問題はエリオットが仲裁人を前に根本的に公平な審理を受けたかどうかである。そうではないというのが答えだ。仲裁審理において(仲裁人ハロルド)ヘンダーソンが(元恋人であるテイファニー)トンプソンおよびグッデルの証言を認めなかったことにより、本法廷は差し止め命令の基準に基づき、エリオットが根本的に公正な心理を受けられなかったと判断している。彼らの存在なくして(中略)エリオットが根本的に公正な審理を受けるチャンスは事実上なかったと言える。本法廷は仮差し止め命令の要請を承諾する」

これにて、同判事の裁定に異議を唱えたNFL側は次のステップに踏み切ることとなった。

リーグのスポークスマンは声明の中で「われわれは事件の調査や証拠がコミッショナーの決定をサポートし、細部にわたって公平なプロセスを経たものだと強く信じている」とつづり、「われわれは今回の決定をより詳細に検討し、地区連邦地方裁判所とアメリカ連邦地方裁判所と共に次なるステップについて協議を行う予定だ」と明かした。

NFLネットワークのジュディ・バティスタは先週、この裁判はエリオットが元恋人に対する暴力を振るったことについての犯罪性を問うというよりも、むしろ、エリオットが停止処分への提訴を行った際に公平な仲裁を受けたかどうかに焦点が当てられていると指摘していた。

テュレーン・スポーツ法政策のディレクターを務めるゲイブ・フェルドマンは先週金曜日、「NFLとNFL選手会が異なる法的戦術によって戦いを続ける。これは以前に起きたトム・ブレイディのケースと類似している」と語った。

フェルドマンは次のようにもコメントした。

「今回の事案はコミッショナーの権力に関する選手会とリーグによる継続した争いでもある。団体で合意に達したものに関し、われわれはNFL側が裁判で相当な時間を費やして一度決めた主張を曲げず、強調し、そして固辞する姿勢を取ってきたことを知っている。また、われわれは選手会がコミッショナーによる権力が度を越しており、選手会としては選手の権利を保護したいとの主張を続けてきたことも認識している・・・(中略)NFL側は裁判所がコミッショナーの決定や仲裁人の決定に対して干渉できるという以前の慣例を持ち出したくはないだろう。それゆえ、この争いはエリオットが試合に出ようが出まいが、継続していくのではないかと考えている」

11日にNFLが出した抗議申請により、エリオットの出場停止処分訴訟は今後も数か月間にわたって継続する可能性が高まったと言える。

【S】