ニュース

来季の所属先について語るチーフスQBスミス

2017年09月15日(金) 13:00

カンザスシティ・チーフスのアレックス・スミス【AP Photo/John Froschauer】

クオーターバック(QB)アレックス・スミスによる最高のパフォーマンスもあり、カンザスシティ・チーフスは開幕戦で王者ニューイングランド・ペイトリオッツを下した。QBスミスは最高の形でシーズンをスタートさせたものの、“チーフスのスミス”としてはこれが最後のシーズンとなる可能性が高い。

チーフスは今ドラフトでトレードアップを行ってまで1巡目にQBパトリック・マホームズを指名した。33歳のスミスはシーズン開幕前、『In Depth with Graham Bensinger(イン・デプス・ウィズ・グラハム・ベンシンガー)』のインタビューを受けた際に来季は別のチームでプレーする可能性が高いことを認めていた。

2017年はカンザスシティでの最後の年になると思うかと問われたスミスはインタビューの中でこのように語っていた。

「そうだね。絶対そうだと思う。間違いない。ただ、なぜそう思うのかと言えば、このチームにトレードされた時と心境が似ているからとしか言えない。あと1年でここは最後だな、と感じるんだ。これはただ、自分がベテランになったというだけの話。契約の問題も絡んでいるけどね。現実的に保証額も減るから。自分自身で力を証明しないかぎり、チームは他の選手を探しに行くのは当然だろう? 現実なんてそんなもんだ」

「何が言いたいかというと、他人の事は気にしていられないってこと。普通そういうものじゃないか? ここで成長を止めたくはないんだ。新人契約を結んだばかりのルーキーにはチームもこれからの成長を期待しているはず。一方で、こちらはもうベテランさ。ある程度高いレベルでのプレーを要求される。もし俺みたいなベテランが期待に応えられない場合、チームが新人選手のようにずっと見守ってくれることなんてない。チームは代わりを探すだろうね。だからこそ、今年は例年通りの気持ちさ。なるようにはなると思っているし、それが悪いとは思ってない」

入団当初のアーロン・ロジャースに対し、手助けするのは自分の仕事でないと言い放ったブレット・ファーブとは違い、自分のチャンスが潰れる可能性があるにもかかわらず、スミスはマホームズやその他のQBに対してできる限りのサポートする姿勢を明らかにしている。

チームをプレーオフ進出へと導く可能性のある自分がいるにもかかわらず、チームがマホームズを指名したことについてどのように感じたかを問われたスミスは次のようにその心境を語った。

「あぁ、厳しい現実だったね。クオーターバックを獲りに行く可能性があるのは知ってた。自分がこのチームに来てからチームがクオーターバックに資金を投入することはあまりしてこなかったから、この辺りで何かあるとは感じていた。だけど、今は俺に対する期待も大きいはず。俺たちは勝ち続けなくてはならないんだ。今はそのチャンスがあるし、それを逃してはならない」

「そうだな、今回のドラフト指名で俺がベンチを温める時間は増えるかもしれない。それが現実だから仕方ない。受け入れるのにはちょっと時間がかかるけれどね。どのポジションにだって新たな選手が入ってくる可能性はある。だからと言って、それは俺たちがつべこべ言う問題ではない。自分たちがする仕事じゃないんだ。俺たちは人事でもなんでもないし、その仕事で飯を食っているわけじゃない。選手がすべきことはフィールドに出てプレーを決めること、そして、試合に勝つことさ。そしてもう1つ、これは俺が強く信じていることだが、最高の移籍とは自分の意志で決めたものじゃないことが多々あるということ。大型の動きを経て元いた選手がまた戻ってくることもある。俺は今のチーフスにはかなりの戦力が整っていると思う。これが現実だ。ドラフトは成功したかもしれないが、1年目から新人QBがチームを指揮するのは必ずしもよくあるパターンではない。現実的ではないね」

今季のスミスは最高のパフォーマンスを披露してチームを優勝へと導くと同時に、来季の移籍先へ向けて自分自身を売り込むことになる。リーグ内に一定レベルで先発可能なQBが枯渇する今、スミスは苦労なく来季も職を手にするだろう。ただし、スミスが現在着用しているヘルメットが今季終了後には不用品となるのは間違いないだろう。

【S】