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大統領発言に対するNFLオーナー、CEOたちの見解

2017年09月25日(月) 06:37

NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

現地22日(金)、アメリカのドナルド・トランプ大統領は支援者集会で行った演説の中で、試合前の国歌で起立しない選手たちをチームオーナーは首にすべきであり、ファンはそのような試合をボイコットすべきだと発言した。

これを受けて『NFL』コミッショナーのロジャー・グッデルと『NFLPA(NFL選手協会)』ディレクターのデモーリス・スミスはそろって23日(土)朝に声明を発表。

同様に、23日中にはNFLオーナーやCEOが次々と反応を示し、トランプ大統領の見解に異議を唱える声明を発表している。

ニューヨーク・ジャイアンツのオーナー、ジョン・マーラとスティーブ・ティッシュのコメント。

「昨夜、われわれが耳にしたような大統領の発言は不適切な内容であり、侮辱的で対立をあおるものだ。われわれはチームに所属する選手たちを誇りに思っており、彼らの大多数はわれわれの社会に前向きな変化をもたらすためのプラットホームとしてNFLを生かしている」

マイアミ・ドルフィンズのオーナーで、『Ross Initiative in Sports for Equality(ロス・イニシアチブ・イン・スポーツ・フォー・イコーリティ/RISE)』の創設者、スティーブン・ロスのコメント。

「われわれの国家が必要としているのは求心力のあるリーダーシップであり、これ以上の分断ではない。相互理解を求め、糾弾や印象操作の代わりに国民と対話していくことが必要だ。私は国歌斉唱中にひざまずく選手たちが、賢明で気骨ある若者であり、あらゆる人たちにとってこの世界をより良い場所にしたいと考えていることを知っている。彼らは対話を始めたいと考えており、法の執行機関との取り組みも含めて人々を一体化し、コミュニティーに変化を起こしたいのだ。学び、耳を傾け、お互いを尊重することで誰もが恩恵を受けられる。スポーツは世界に共通するものだ。われわれ全員に、このプラットホームを活用して理解と尊重、平等を促進させる責任がある」

サンフランシスコ・49ersのCEO、ジェド・ヨークのコメント。

「大統領による無神経で攻撃的な発言はこの素晴らしい国家の理念と相反する。選手たちは対話を促し、社会的不公正に対処する行動を起こすためにアメリカ国民としての権利を行使してきた。私たちはわが国はもちろんのこと、世界中にポジティブな変化をもたらす彼らの平和的な追求においては彼らを支援し続ける。サンフランシスコ・49ersはコミュニティーとそこで働く人々をより強く結びつけられるよう、努力を続けていく」

グリーンベイ・パッカーズの会長兼CEO、マーク・マーフィーのコメント。

「大統領が自らの巨大なプラットホームを利用し、対立を招き、NFLおよびその選手たちについて攻撃的な発言をしたことについて遺憾に思う。選手たちはわれわれのコミュニティーにおけるリーダーであり、ポジティブな影響源であると強く考えている。彼らは途方もない努力と献身を通してそれぞれの地位を獲得しており、彼らはその成功とポジティブな影響において称賛されるべき存在である。優れた変化を望み、平和的な意思表示を選ぶ選手たちを支持することは重要だ。幸いにして、われわれはアメリカ国民として率直かつ自由に発言できる」

アトランタ・ファルコンズのオーナー兼会長、アーサー・ブランクのコメント。

「われわれは皆で協力し、統一性を築きながら全員の声を建設的なダイアログに取り入れることで最善となれる。分断を生み、自分と異なる見解を悪者扱いすることは何のプラスにもならず、民主主義の理想を達成する全体の能力を弱体化するだけである。NFLはこれまで歴史的にポジティブな変化の強力な促進剤であり続けてきた。私は選手、コーチと職員たちがそのプラットホームを使い、コミュニティーに恩返しをして、現在と未来の世代にポジティブな影響を与える良い市民であろうとすることを誇りに思う」

テネシー・タイタンズの筆頭株主、エイミー・アダムス・ストランクのコメント。

「私は誇りを持って選手たちを支持し、フットボールフィールドの内外における彼らの活動をサポートしたい。私たちは一丸となり、結束するほど良い国家になれるというグッデル・コミッショナーの見解に全面的に同意見だ。世間で認識されないこともしばしばでありながら、NFLの選手たちが多くの慈善活動や公共心あふれる努力をする姿を、私はテネシーと国の全域で直接目にしてきた。選手たちは毎日のように社会への貢献を行っており、その彼らを中傷するような発言をする者は、彼らがコミュニティーにもたらすものやこれまでの成果を知らない者なのだと分かる」

ロサンゼルス・チャージャーズのオーナー兼取締役会長、ディーン・スパノスのコメント。

「私は心からコミッショナーの声明に同意する。NFLとその選手たちは何よりも善を促進する力であろうとし続けてきた。この国に今必要なのは、団結、礼儀と相互尊重を促すメッセージだ」

フィラデルフィア・イーグルス会長兼CEO、ジェフリー・ルーリーのコメント。

「人は他者を思いやり、困った人々に手を差し伸べる決意を示してこそ優れた人と言える。私は日々、選手たちの真剣な決意とハードワークを目にしている。彼らがコミュニティーを良くするため、あるいは不公正に注意を喚起するために勇気を出し、個性を示してコミットすることを支持したい。私は選手たちと話し、彼らが国歌やそれが象徴する全てのものに対して大きな尊敬を抱いていると証言できる。フィラデルフィア・イーグルスは分裂と対立がはびこるこの困難な時に、今まで以上にフットボールが偉大なる統一者として働くことが重要だと強く信じている」

デンバー・ブロンコスの会長兼CEO、ジョー・エリスのコメント。

「われわれの選手たちは自分たちのプラットホームをポジティブに利用することで、重要な社会問題の認識を高めることにおいて素晴らしいコミットメントを示してきた。フィールドを離れてもハードワークをささげるだけでなく、彼らがチームを完全なる最善の形にしようと献身する姿にわれわれは大きな感嘆を覚える。このレベルに至るまでには途方もない犠牲が払われており、彼らがチームとファンに日々全てをささげていることをわれわれは知っている。組織として、選手たちにこれ以上の誇りを持ち、称賛と感謝はできないほどだ。引き続き彼らをサポートし、尊敬、多様性と一体化の価値を共に提唱していきたい」

バッファロー・ビルズのオーナー、テリー・ペグラとキム・ペグラのコメント。

「このたび何人かで会合を開き――選手、コーチ、職員とオーナー陣が集まった。われわれの目標はオープンなダイアログとコミュニケーションを提供することにあった。皆でお互いの意見に耳を傾けた。フィールドの内外でどんな問題に直面しているにしろ、それが解決に至る最善の方法だと確信している。トランプ大統領の発言はNFLコミュニティー全体を対立させ、敬意を欠くものだった。しかし、われわれはそれを1つの機会として利用することでチームと組織をさらに統一しようと考えた。選手たちには丁重で思慮深い方法を用いて自らを表現する自由がある。われわれは愛と平等を重視する環境を提供し、促進するという単一のメッセージを打ち出すことで全員が同意した」

インディアナポリス・コルツのオーナー、ジム・アーセイのコメント。

「私はリーグと選手たちに関する大統領の最近のコメントに困惑している。アメリカにおけるスポーツは、あらゆる地位の人々や異なる視点を持つ人々を共通の目標に向かって団結させ、応援させる独自の力を持っている。インディアナポリス・コルツはわが町と州のためにその伝統を担えることを誇りに思う。NFLにいる選手たちの大多数――殊にコルツのシンボルであるホースシューを一度でも身につけ、今も身につけている人々――はチャリティーに何百ドルという額を寄付し、最近のハリケーン被害者のために支援金を集め、慈善団体を立ち上げ、学校を訪れ、生徒たちを導き、ホームレスのシェルターで働き、公園を清掃して、個人の時間を何時間も使ってコミュニティーや周囲の人々の生活を良くしようと努力してきた。この国はそうした精神の下で作られたのであり、われわれは訪れるチャレンジに立ち向かう人々が1つになれるよう休むことなく働き続け、コミュニティーの人々にお返しをしなくてはならない。フィールド上のどんなリザルトよりも、それこそが声援を送るべき共通の目標だ」

シアトル・シーホークスの会長、ピーター・マクラフリンのコメント。

「われわれは選手たちが言論の自由を行使し、国内に存在する人種その他の分裂に光を当てることを目的とした平和的行動を全面的に支持する。選手たちは国家の軍隊や退役軍人たちに対して深い尊敬の念を抱いている。しかしながら、これらの問題は表に出されるべきだという信念に基づいて彼らは行動しているのだ」

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