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セインツRBピーターソンがトレードでカーディナルスへ

2017年10月11日(水) 09:03


ニューオーリンズ・セインツのエイドリアン・ピーターソン【AP Photo/Bruce Kluckhohn】

ニューオーリンズ・セインツは現地10日(火)、将来的な殿堂入りが有力視されているランニングバック(RB)エイドリアン・ピーターソンをトレードでアリゾナ・カーディナルスへと放出したことを発表した。

両チームは同日にこのトレードを認めており、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートはカーディナルスが条件付きで2018年のドラフト6巡目指名権をセインツに譲渡したようだと報じている。

NFLネットワークのステイシー・デイルズに対してピーターソンは「俺は最高にうれしい」とメールを送っていたとのこと。

ここまで4試合を通じて27キャリー、81ヤードを記録していたピーターソンがかつてのような役割をセインツで担う可能性はなかったが、RBデイビッド・ジョンソンの離脱したカーディナルスが地上戦においての新戦力を欲していたのは明白だった。

カーディナルスのジェネラルマネジャー(GM)スティーブ・カイムはチームが発行した声明の中で「われわれは常々このチームをより良くするための機会をうかがっており、今回はそのチャンスだと判断した。このリーグでエイドリアンが成し遂げてきた成功はすばらしいものだ。われわれがランゲームにおける新たな戦力を欲していたのは明らかだろう。彼に活躍するチャンスを与えることができて興奮している」

38歳のクオーターバック(QB)カーソン・パーマーや34歳のワイドレシーバー(WR)ラリー・フィッツジェラルドなど、ベテラン陣が多く活躍するカーディナルスのロースターに今回新たに32歳のベテランRBが加わることとなった。ミネソタ・バイキングスでのプレーが終わりを迎えた頃からピーターソンにとってはカーディナルスへの移籍が一番のフィットになるとは囁(ささや)かれていた。

このトレードが確定後、チームはRBクリス・ジョンソンをリリースしている。

セインツの今シーズン初戦の戦い方を見ても、空中戦を好むヘッドコーチ(HC)ショーン・ペイトンの攻撃戦略にピーターソンがフィットしていないことは明らかであった。ダレン・スプロールズがセインツ在籍時に見せたパス重視のスキームに順応した動きは新人アルビン・カマーラの方に期待した方が良さそうだ。

Iフォーメーショや伝統的なシングルバックでの戦略時に類まれなる能力を発揮するピーターソンがブルース・エリアンスHCの下でようやくその活躍の場を与えられるのかもしれない。

プロボウルに7度の選出経験を持つピーターソンだが、オフェンシブライン(OL)のパフォーマンスがかんばしくないカーディナルスでどのような動きを見せるのか。現在カーディナルスのRBで1キャリー平均が4ヤードを越している者は誰一人としていない。『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』による分析ではカーディナルスのロースターにいる5人のRBはいずれもリーグ最下層の成績を収めている。

セインツでの起用法に関しては躊躇(ちゅうちょ)なく不満を漏らしていたピーターソン。彼はチームのシーズン開幕戦からペイトンHCに対してランの選択を増やすように訴えかけ、自身に対するキャリー数が契約時の約束と異なるものだと主張していたようだ。20対0で圧勝したロンドンゲームでのマイアミ・ドルフィンズ戦はピーターソンがセインツの一員として出場した最後の試合となった。この試合、彼は4キャリーで4ヤードの記録を残している。

ここ数年は衰えによる成績の下降が著しかったピーターソンだが、徐々にそのパフォーマンスは落ち着きを見せ始めてもいる。先シーズンは膝の重症を負ったピーターソンは思いのほか早い復帰を遂げたものの、彼がキャリアの序盤に見せたような猛烈なスピードと圧倒的パワーは鳴りをひそめている。

3チーム目となったカーディナルスでピーターソンは再び他を圧倒するようなパフォーマンスを披露することはできるのだろうか?

今後チームメイトとなるカーディナルスのコーナーバック(CB)パトリック・ピーターソンが『Twitter(ツイッター)』上でピーターソンの加入を歓迎している。

「今日はなんて良い日なんだ!!! ようこそカーディナルスへ、エイドリアン・ピーターソン!!! 一緒にやってやろうぜ!」

【S】