衝撃トレード! 49ersがペイトリオッツからQBジミー・ガロポロを獲得
2017年10月31日(火) 11:202017年のトレード市場が今年一番の衝撃的な動きを見せた。
ニューイングランド・ペイトリオッツがクオーターバック(QB)ジミー・ガロポロをサンフランシスコ・49ersとのトレードで放出し、その引き換えとして2018年ドラフト2巡目指名権を獲得した。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが伝えた。この一報を最初に報じたのは『ESPN』だ。
この動きに付随して49ersはQBブライアン・ホイヤーをリリースしている。
ペイトリオッツは大エースQBのトム・ブレイディと2018年にフリーエージェント(FA)となるガロポロの2人ともを続投させることが困難だったようだ。ブレイディは過去数年にわたってペイトリオッツのサラリーキャップにより柔軟に対応しようと契約内容を調整してきたものの、ガロポロをチームにとどめられるような契約内容に変更することまでは不可能だった。
49ersがガロポロに対して求めているものは何か。ペイトリオッツという非常にまれなQB環境において、当然ながらガロポロが出場できる時間は限られていた。彼が一番多く出場機会を与えられたのはブレイディが出場停止処分を受けた2016年の開幕4試合の間であろう。結局、この期間で2度先発したガロポロがプレーしたのは合計わずか5.5クオーターで、負傷したガロポロは戦線離脱を余儀なくされた。
それでも、出場した短時間の中でそのポテンシャルの高さを見せつけたガロポロはシーズン第1週で33回のパスを出して24回の成功を収め、264ヤード、1タッチダウンをマーク、アリゾナ・カーディナルスに勝利を収めた。また、その翌週には26回中18回のパスを成功させ、232ヤード、3タッチダウンを記録し、マイアミ・ドルフィンズからも勝ち星を挙げている。
ペイトリオッツは今季の前半戦を2敗で切り抜けており、このままいけばプレーオフ進出は固いだろう。つまり、ペイトリオッツは2014年ドラフトで2巡目の指名権を使って獲得したガロポロという保険をもうほとんど必要としなくなり、放出することで新たなドラフト2巡目の指名権を獲得するという構図を描いたのだ。何ともうまい取り引きであろうか。
これで49ersは新人QB、C.J.ビーサードの出場機会が激減するだろう。ヘッドコーチ(HC)のカイル・シャナハンがどのようにガロポロの能力を生かすのかは興味深いところだ。0勝8敗と悲惨な結果を残しているチームのオフェンシブラインでもガロポロのポテンシャルは発揮されるのだろうか。加入後の数週間は新システムへの順応期間としてガロポロをサイドラインに置いておくのが賢明な手段だろう。しかしながら、奇妙な事はいつだって突拍子もなく起こるものだ。ましてや、新人HCであるシャナハンには多少なりとも早い段階での結果が求められているはず。また、チーム自体がガロポロの実力を直に確かめてみたいとも思っているだろう。ガロポロのデビュー戦については想像以上にそれぞれの思いが交錯しているのかもしれない。
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