ブロンコスHCジョセフ、「QBリンチはまだ万全でない」
2017年11月08日(水) 11:40シーズン第9週にクオーターバック(QB)ブロック・オズワイラーを先発させたデンバー・ブロンコスには1つの大きな疑問が残る。現在のパクストン・リンチの状態だ。
元ドラフト1巡目指名選手であるリンチは今年のプレシーズン3戦目に肩を負傷し、先週になってようやく練習を開始している。先シーズンはハイレベルなプロの試合で苦戦を強いられる場面が多く見られたリンチだったが、穴だらけのオフェンシブライン(OL)では彼のような機動力のあるQBが必要とされる。実際のところ、ここ数週間のブロンコスQB陣のパフォーマンスよりも劣る成績を残すQBはそう多くないと言えよう。
現地6日(月)、ヘッドコーチ(HC)のバンス・ジョセフは地方紙『Denver Post(デンバー・ポスト)』を通じてリンチについて次のように語った。
「フィジカル的にはまだ万全ではない状態だということ。パクストンが最後に出た試合はプレシーズン3戦目だが、彼はまだ投球を再開してから4日目だ。フィジカル面の問題はそこにある。また、私が強調しているのはメンタル面の問題で、彼がフットボールからかなり遠ざかっていたということだ。パクストンはフィールドに来るのも久しぶりだったからね・・・ただ、彼の頭脳はもちろん健在だ。彼の賢さについては心配していない。私はプレー面での心配をしている。パクストンの離脱期間は相当長かったから、シーズン第10週に彼を起用するのはチームにとっても、パクストンにとっても得策でないだろう」
おそらく、リンチはリハビリ中もチームのプレーブックに目を通していたはずだ。彼が攻撃戦略の理解にてこずっていないかぎり、復帰が遅れている理由はやはりフィジカル面にまだ不安があるからなのだろう。
リンチは6日、同紙に対して「長いこと離脱していたからね、前の形に戻していく必要があるんだ。メンタル的な話ではなく、フィジカル面での問題さ。特に、コンディショニングについては前とはちょっと違ってくるからね」と述べていた。
出場した過去2試合で4度のインターセプトを記録したトレバー・シーミアンがオズワイラーに先発の座を譲った先週末のフィラデルフィア・イーグルス戦、オズワイラーのパフォーマンスはわずかにシーミアンよりは良かったかもしれないが、それでも、2ピックを奪われてチームの大敗を助長している。
フィジカル面とメンタル面でリンチがまだ万全でないと語りながらも、ジョセフHCが昨年のスーパーボウル覇者であるニューイングランド・ペイトリオッツとの第10週にリンチを出場させたがっていない可能性もある。
過去2シーズンにおける動きを見れば、オズワイラーが先発の座を維持する確率は極めて低い。長期間の離脱を経たリンチがどれほどの成長を遂げたのか、今のブロンコスにはそれくらいしか期待できるものがない。
23歳のリンチはもうじきのフィールド復帰を示唆していた。
「近いね。もしチームが俺を必要とするなら今すぐ投げに行くさ。でも、それはトレーニングスタッフが決めること。(中略)チームスタッフは俺のリハビリや練習に熱心に付き合ってくれている。徐々にフットボールの体へと戻している。今はそんな感じの段階だ」
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