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「ニューオーリンズを去るつもりはない」とセインツQBブリーズ

2017年11月15日(水) 11:49


ニューオーリンズ・セインツのドリュー・ブリーズ【AP Photo/Bob Leverone】

ニューオーリンズ・セインツのクオーターバック(QB)ドリュー・ブリーズがチームを離れるつもりはないと語った。

チームの大黒柱であるブリーズだが、そこには保証のないいくつかの問題が顕在する。同選手の契約が最終年であることや、今年で38歳を迎えていることなどだ。少し奇抜な考えだと受け取られるかもしれないが、今年のセインツはこれまでで最もブリーズを必要としていない状況にいるかもしれない。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは先ごろ、契約事情や契約延長時に高額年俸を要求されるという恐れから、セインツがブリーズの今後のステータスについて見通しを立てていないと報じた。これらの状況を踏まえると、ブリーズの問題解決が一筋縄ではいかないことが予想される。ラジオ番組に出演したブリーズは次のように発言していた。

「2018年のことは2018年になったら考える。今の方が大事だ。自分はまだ2017年にいる。毎週、チームはもっと良くなろうと頑張っているんだ。今後についても素晴らしいチャンスがあると思うし、ニューオーリンズを離れるつもりはない。そういうことには時期が来たら取り組めればと思っている。契約についてはまだ誰とも話をしていない。お互いに理解はできているはず。まずは、今シーズンを戦い抜くことだ。その話はオフシーズンになったらまた始めたい。今は、目の前の試合に集中したい」

現在は7勝2敗で7連勝中のセインツがその勢いを継続させたいのは当然だろう。攻撃陣のキャプテンを務めるブリーズが記録する1試合平均の402.4ヤードはリーグ第2位に、1試合平均の266.4パスヤードはリーグ7位にランクしている。

過去5シーズンにおいてほとんどリーグ1位、または2位を記録した1試合平均獲得ヤード数はセインツの得意分野でもある。しかしながら、これもブリーズの進退によっては大きく様変わりすることになるだろう。

過去5年間でセインツは1シーズンを除いてほぼ毎シーズン、1試合300パスヤードを超える平均パスヤードを記録してきた。平均300パスヤードに達しなかった2014年でも実際は297.8ヤードとそん色ない数字を残している。1試合平均402.4ヤードをマークするセインツがパスで記録しているのはわずか260.2ヤード。効率的なブロックとランニングバック(RB)マーク・イングラム、新人アルビン・カマラによる攻撃の2枚看板をかかげ、セインツは昨年の1試合平均108.9ランヤードから今年は1試合平均142.4ランヤードへとランゲームでの試合展開に改善を見せている。

今のセインツが単純にこれ以上ブリーズという大黒柱に頼らなくとも勝利を望めるチームへと変貌しつつあるがゆえに、今回の契約問題がより複雑化することが懸念される。

およそ3,100万ドル(約35億円)のキャップスペースを持つセインツが、年俸2,500万ドル(約28億円)、あるいはマシュー・スタッフォードが結んだリーグトップの年俸である約2,700万ドル(約30億円)と同程度の金額を、来年39歳の年を迎えるQBに対して注ぎ込むのだろうか。

セインツファンはブリーズと共に目の前の試合だけを見つめるべきだ。今後はブリーズの姿をニューオーリンズの地で見る機会が減ってしまうかもしれないのだから。