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NFC勢がAFC勢を圧倒するアンバランスな勢力図

2017年11月15日(水) 10:51

フィールドに描かれたNFLのロゴマーク【Al Messerschmidt via AP】

現在のプレーオフ進出チーム予想表を見てみると、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)勢がNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)勢に圧倒されているのが分かるだろう。

NFCは現在5勝4敗のチームですらプレーオフ進出が危ぶまれているのに対し、AFCでは勝率5割を達しているチームであればプレーオフ進出が可能となっている。AFCではここ2週間で屈辱的な敗北を喫し、2連敗中のバッファロー・ビルズでさえも5勝4敗で第6シードの位置にいるのだ。

NFC所属で負け越しているのはたった6チームだけだが、AFCでは勝率5割を切るチームが10を数える。

いまだ1敗のみのフィラデルフィア・イーグルスはNFC所属であり、NFCには7勝以上を挙げているチームが5チーム。これに対し、AFCにおいて7勝以上を記録しているのはニューイングランド・ペイトリオッツとピッツバーグ・スティーラーズのみだ。

シーズン第10週に入る前に『Football Outsider(フットボール・アウトサイダー)』のメンバーが行った分析によれば、AFCの10チームがチーム・エフィシエンシー・ランキングでリーグの下位に沈んでいるとのことだ。

なぜNFCでは10勝を挙げたチームがプレーオフから漏れ、AFCからは8勝8敗のチームがプレーオフに進出する可能性が出てくるのか。このカンファレンス間の一番顕著な相違はクオーターバック(QB)のレベルだろう。アーロン・ロジャースが戦線離脱した後でもNFCには多数の優秀なQBがいる。NFCに所属するQBの中で絶不調な選手と言えばニューヨーク・ジャイアンツのイーライ・マニングただ1人の名前が挙がるが、AFCには少なくともジェイ・カトラー、ジョー・フラッコ、アンディ・ダルトンと3人以上の名前が挙がってくる。

片一方のカンファレンスが多くの勝利数を積み上げている理由として簡単に説明がつくのは、インターカンファレンスゲームだろう。とりわけ、シーズン後半のNFC勢はAFC勢に対して好き放題をやっていると言える。

過去3週間、NFCはAFCに対して10勝1敗(1敗は本拠地でピッツバーグ・スティーラーズと対戦し、多数のチャンスを生かせずに自滅したデトロイト・ライオンズ)で得点は371点対206点となっている。シーズン第10週だけであれば、NFCはインターカンファレンスゲームで5勝0敗、うち4勝は14点差をつけての勝利だった。

インターカンファレンスゲームでNFCが24勝14敗を記録している理由の1つには、ロサンゼルス・ラムズとカロライナ・パンサーズが3勝負けなしと大躍進していることが挙げられる(パンサーズは昨年のスーパーボウルを制したペイトリオッツをも下している)。

NFCの各チームがAFCのチームと対戦する週を待ち望んでいる。ボルティモア・レイブンズ、シンシナティ・ベンガルズ、クリーブランド・ブラウンズはそれぞれNFC北地区のチームに対して0勝5敗を喫し、AFC南地区のチームが8試合で挙げた勝ち星は2つのみ。このうちの1つは当時未勝利だったサンフランシスコ・49ersからインディアナポリス・コルツが挙げたものだ。

カンファレンス間の力の差は、1月にプレーオフ進出を果たすチーム間に圧倒的な戦力差が見受けられることを意味する。プレーオフであっても一方的な試合となる可能性もありそうだ。

だが、いかに偏った勢力図であろうともプレーオフ進出を懸けた熱い戦いは両カンファレンスで見られるはずだ。また、4年連続でAFCからスーパーボウル覇者が輩出される可能性も否定できないだろう。