シーホークスTEグラハムがようやく本領発揮
2017年11月17日(金) 10:34シアトル・シーホークスに移籍して以降、タイトエンド(TE)ジミー・グラハムが記録しているタッチダウンは31試合で8回だが、先週のアリゾナ・カーディナルス戦では1試合で2タッチダウンを決めており、ここ5試合で圧巻の6タッチダウンを記録している。
ワイドレシーバー(WR)のダグ・ボールドウィンはタッチダウンを量産し始めたグラハムについて「俺たちはレッドゾーンでのパスキャッチを完璧にしようと繰り返し言ってきた。俺たちにとっては楽な課題さ。ラス(ラッセル・ウィルソンの愛称)がスローを決め、ジミーがキャッチするだけだからね。自動システムみたいなもの。かなりうまく機能しているよ」と『ESPN.com』を通じて語った。
ここ5試合を通し、クオーターバック(QB)ウィルソンがグラハムをターゲットとする回数は激増しており、それはレッドゾーンだけの話ではない。シーズン開幕から4試合でグラハムをターゲットとしたウィルソンのパスレーティングが39.4となっていたのに対し、ここ5試合では121.9パスレーティングをマークしている。
相手にとってゴールライン際で身長約2mのグラハムと競り合うのは至難のわざだろう。大抵のディフェンシブバック(DB)にはジャンプで競り勝ち、ラインバッカー(LB)には素早く対応するグラハム。『ESPN Stats & Information(ESPNスタッツ&インフォメーション)』によれば、キャリア通算51回のレッドゾーンタッチダウンは現在、ロブ・グロンコウスキー(ニューイングランド・ペイトリオッツ)の52回に次いで2番目の数字だという。この両雄は共に2010年からプロ入りした同期でもある。
シーホークス移籍後はなかなか思うような成績を残せずにいたグラハムだが、ニューオーリンズ・セインツでは5年で計51度のタッチダウンを積み上げており、ここ5試合でようやくウィルソンとの息が合い始めたようだ。
ヘッドコーチ(HC)のピート・キャロルは「みんな、グラハムには今のような活躍を期待していたんだ」と述べ、続けて「ジミーとラッセルは共にすばらしい仕事を続けている。もともとこのくらいはできる選手だった。やっと本領発揮といったところだろう。並大抵のプレーヤーではない」と語り、こう続けている。
「とてもうれしく思っているのは、われわれが望んでいた形がようやく実現し始めたからだ。本来のリズムをつかむまでに多少の時間はかかったかもしれないが、われわれもジミーの長所を最大限に生かそうと努力してきた。今後も同じようなパフォーマンスを続けてもらいたい。ラッセルともうまく連携が取れている。これからも相手側が対戦する気力を失うようなチームを作り続けたい」
ランゲームにはめっぽう弱いシーホークスは現在パス中心のチームとなっている。ゴール手前で短いヤードを獲得できないチームは必然的にグラハムにボールを投げることとなる。グラハムは今、ようやく爆発する機会を手に入れたと言えよう。