プロトコルの適用法に誤りを指摘するジャイアンツオーナー
2017年12月14日(木) 13:30現地13日(水)、ニューヨーク・ジャイアンツのオーナーを務めるジョン・マーラはウィンター・リーグ・ミーティングの席で、リーグの脳震とうプロトコルの適用に今季はこれまでに複数回のミスがあったと指摘した。
マーラオーナーはリーグによるシアトル・シーホークスのクオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンとヒューストン・テキサンズのQBトム・サベージに対する脳震とうプロトコル入りプロセスへの調査に触れている。
テキサス州アーリントンで開催されたウィンター・リーグ・ミーティング中、同オーナーは記者に対してこのように明かした。
「人間の判断である以上、間違いは起きるものだ。今季はこれまでに何度かそのミスがあった。NFLによる調査はまだ全部が済んだわけではない。脳震とうプロトコル入りしたほぼ全てのケースでわれわれは正しい判断を下していた。ただし、誤った判断を下したケースも何度かあり、それが広く周知されているのだ」
先月9日、アリゾナ・カーディナルス戦でシーホークスが勝利した試合中にQBウィルソンが受けたヒットに対し、適切な処置が施されたかどうかについて現在リーグは調査を行っている。
同試合の第3クオーター、顎(あご)周辺にヒットを受けたウィルソンがサイドラインに退いたのは短時間だった。ヒット後、オフィシャルを務めていたウォルト・アンダーソンからフィールド外に出るよう指示を受けたウィルソンはメディカルテント内に入ったものの、その1プレー後にはフィールドに復帰していた。ウィルソンがわずか数秒間しかテントに滞在していなかった様子をテレビのカメラは捉えている。ウィルソンは結局、ヒットによる脳震とうを発症していなかったという。
一方のサベージは26対16で黒星を喫したサンフランシスコ・49ers戦の第2クオーターにアウトサイドラインバッカー(OLB)エルビス・デュマービルによる強烈なヒットを受けた。短時間の休息を経てフィールドに復帰したサベージだったが、結局、そのまたすぐ後に大事を取ってロッカールームへと下がり、脳震とうプロトコル入りとなった。
NFLとNFL選手会は月曜日、同選手らへの処置が適切に行われていたかどうかにいて調査を開始したと発表した。
マーラオーナーは「調査によってこの事案の詳細が浮き彫りになってきた。パーフェクトを願うのは当然だが、人間が仕事をこなす以上、感情的な部分が時おり誤った判断を引き起こす」とも語っている。
2002年以降、NFLは47個のルールを改正した。これらの中には選手の保護、練習法の改善、選手らのより良い学習環境、脳震とうに関する人事、リーグが規定する医療プロトコルの厳格化などがあった。NFLは毎試合29名の医療関係者をサイドラインに配置し、NFL選手会と協力して脳震とうやその他頭部に関連する負傷を即座に診断、または、原因特定できるように脳震とうプロトコル適用の厳格化を促進している。
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