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2017年度マン・オブ・ザ・イヤー賞の最終候補3名が決定

2018年01月22日(月) 10:39

ヒューストン・テキサンズのJ.J.ワット【AP Photo/David J. Phillip】

現地21日(日)、元シカゴ・ベアーズの名ランニングバック(RB)ウォルター・ペイトンの名を冠したマン・オブ・ザ・イヤー賞(ウォルター・ペイトン賞)の2017年度の最終候補者に、ヒューストン・テキサンズのラインバッカー(LB)J.J.ワット、カロライナ・パンサーズのタイトエンド(TE)グレッグ・オルセン、ボルティモア・レイブンズのTEベンジャミン・ワトソンの3人が選出された。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは「グレッグ、ベンジャミン、J.J.の3人はその高潔さと他者への貢献で数多くの人々に影響を与えてきた。彼らはフィールドの内外を問わず、常にリーダーとして存在し、まさにウォルター・ペイトンと同様の活動を行った。それぞれの基盤を用いて国内全土にわたるポジティブな影響を与えたことを称賛したい」と述べた。

リーグにおける最も栄誉ある賞の1つとして認識されるマン・オブ・ザ・イヤー賞はフィールドで活躍し、かつ、コミュニティサービスへの運動を精力的に行った選手に対してのみ与えられる栄えある賞だ。

受賞者は現地2月3日(土)に開催される授賞式イベント、“NFL Honors(NFLオナーズ)”で発表される予定。この翌日には第52回スーパーボウルが開催される。NFLオナーズはミネソタポリスにあるミネソタ大学のサイラス・ノースロップ記念講堂で開催されることとなっている。

2017年度のマン・オブ・ザ・イヤー賞受賞者は50万ドル(約5,500万円)の寄付金を手にすることになるが、そのうち25万ドル(約2,750万円)は受賞者の選ぶチャリティーへ寄付され、残りの25万ドルは受賞者の名前で『Character Playbook(キャラクター・プレーブック/オンライン通信教育プログラム)』へ寄付されることになっている。その他2人の候補者も受賞金の10万ドル(約1,100万円)をチャリティー団体へ、そして10万ドルをそれぞれの名の下でキャラクター・プレーブックに寄付することになる。また、先月中に候補者となっていたその他29名にも5万ドル(約550万円)の寄付金が授与され、同様の流れで寄付が行われる。これらの寄付金はNFL Foundation(NFLファンデーション)、Nationwide(ネーションワイド)、そして、United Way Worldwide(ユナイテッド・ウェイ・ワールドワイド)の3団体によって援助されたものだ。

超大型ハリケーン“ハービー”がテキサス州の南東部を襲った後、すぐにソーシャルメディア上で動画を投稿し、洪水救済基金を設立したワットは、ヒューストンの街の希望となり続けた。ワットが当初に目標とした20万ドル(約2,200万円)の設定金額は瞬時に達成され、基金設立から19日後に集まった寄付金はおよそ3,700万ドル(約40億円)に到達している。ハリケーン“ハービー”による犠牲者や被害者に全ての寄付金を届けるように約束したワットは、そのための新たな団体を模索し、支援が必要な地区やその周辺、また、ヒューストンの街に住む人々に直接的な援助がいきわたるよう措置を講じた。

ワットは『Twitter(ツイッター)』に「ウォルター・ペイトンの名を冠した賞にノミネートされたことを本当に光栄に思う。ベンジャミン・ワトソンやグレッグ・オルセンの2人と共に候補に挙げられたことも誇りに感じる。彼ら2人は当然その賞に値する貢献をしていた。これはただ1人の功績ではなく、全ての人による功績だ」と投稿している。

一方のオルセンは自身の母親が乳ガンと闘って見事に回復したという経緯から、2009年に乳がん研究や教育プログラムへの受け口として“Greg Olsen Foundation(グレッグ・オルセン・ファンデーション)”という財団を立ち上げている。また、2013年初旬にオルセンとその妻であるキャラは“HEARTest Yard Fund(ハーティスト・ヤード・ファンド)”も設立した。このファンドは夫婦に双子が生まれた際、片方の男の子であるT.J.が左心低形成症候群(HLHS)という難病を抱えて生まれてきたことがきっかけとなって誕生し、家庭内での医療サービスやプライベートの看護ケア、フィジカルセラピー、スピーチセラピーなどといった画期的なプログラムを無料で提供している。オルセンとキャラの2人は2017年11月にも新たに心臓の神経発達障害を持つ患者への支援を発表した。オルセンは2009年以降、財団を通じて約350万ドル(3億8,000万円)を寄付している。

オルセンは『Twitter(ツイッター)』で次のように述べた。

「今回もまた、ウォルター・ペイトン賞の最終候補者として自分の名前が挙げられたことを光栄に思う。J.J.ワットやベンジャミン・ワトソンにも拍手を送りたい。一緒に素晴らしい一週間を過ごせればと思う」

ワトソンもまた、自身が立ち上げた“One More Foundation(ワン・モア・ファンデーション)”を通じて多くの人々を支援してきた。同財団の目的はユニークなプログラムを開設して場所を問わず支援を求める人に救済を行うというものだ。先日、ワン・モア・ファンデーションは世界で最も名高い反奴隷組織で、人身売買の撲滅や貧困、暴力に苦しむ人々の人権保護に尽力する団体であるIJM(国際正義使節団体)と提携を結んだ。ワトソンはとりわけ、世界中で行われる性的人身売買との戦いを公言している。昨年4月に3日間の旅行でレバノンを訪れ、中東の難民危機を目の当たりにしたワトソンは、ここから性的人身売買撲滅への活動を精力的に開始することになった。ワトソンの妻であるカースティンも夫と志を共にし、ドミニカ共和国を訪問している。

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