第52回スーパーボウル後に旅立つペイトリオッツOCとDC
2018年01月31日(水) 10:44黄金時代を迎えているニューイングランド・ペイトリオッツは再びフットボール界最高の舞台へとたどり着いた。
ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディは8度目のスーパーボウル出場となる。そして、このチームのコーチたちにとってはペイトリオッツのメンバーとして挑む最後のスーパーボウルとなるかもしれない。
過去25年ほど、ヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックの下でアシスタントコーチを務めた人物たち(ニック・セイバンやカーク・フェレンツら)の多くは大成してきたが、その一方で、すばらしいコーディネーターとして活躍した(ロメオ・クレネルやチャーリー・ワイスなど)ものの、後のHCとしては長続きしなかった者たちもいる。
ペイトリオッツの現攻撃コーディネーター(OC)ジョシュ・マクダニエルはかつて後者のグループにいた。しかしながら、マクダニエルは今後、インディアナポリス・コルツでキャリア2度目のHC就任を果たす予定だ。コルツは今、首を長くしてペイトリオッツの全日程終了を待っている。
マクダニエルを最もよく知るだろうブレイディは、スーパーボウルのオープニングナイトでこのOCを「最高のコーチだ」と称え、「すばらしいコーチにはたくさんのチャンスが与えられるべきだ」とも語っていた。
マクダニエルが初めてHCを務めたのはデンバー・ブロンコス(2009年から2010年シーズン)でのこと。最高の出だしを切ったマクダニエル政権だったが、最終的な結果はお粗末なものだった。最初の6試合で勝利を収めたマクダニエルが残りの22戦で白星を獲得したのは5回のみ。この結果を受け、マクダニエルは2010年シーズンを持って解任された。当時まだ33歳だったマクダニエルは初めてのHCを経験したことで多くのことを学べたと明かしている。
マクダニエルは『ESPN』に「正しい感情のコントロールの仕方を学ぶことができたと思っている。今もまだ感情的になる部分もあるが、チームとオフェンスのためにポジティブで生産的な存在であるよう常に心掛けている」とコメントした。
スーパーボウルウイークはキャリアの終わりも近いとされるブレイディに関する話題で持ち切りだが、黄金時代真っただ中のペイトリオッツにとって本当に恐ろしいのはマクダニエルOCと守備コーディネーター(DC)マット・パトリシアの同時離職後の状況だろう。パトリシアDCは第52回スーパーボウル終了後、デトロイト・ライオンズのHCに就任する見込みだ。
ライオンズはジム・シュワルツを2009年から2013年にかけて雇用した経験などもあり、ベリチックの下で経験を積んだ人物に馴染みがある。シュワルツとパトリシアの両者は共に守備的思考を持っているものの、類似した部分はそこまでだ。
ベリチックにとってスーパーボウル後に両コーディネーターがチームを同時に去るのは2度目の経験となる。2005年2月6日、ロンバルディ・トロフィーを掲げる前にワイスとクレネルがベリチックと3人で抱き合った瞬間は印象的だった。
ペイトリオッツのオーナー、ボブ・クラフトはESPNを通じて次のようにコメントした。
「このチームにいた人物の5、6人は他のチームでジェネラルマネジャーやヘッドコーチを務めている。リーグ全体を通した話でない限り、われわれにそういった価値があるのなら、それは誇りに思えることだ。ビルと他のコーチ陣がこれまでに成し遂げてきたことを誇りに思う」
来季、ニューイングランドで再び新たな2人のスターコーディネーターが誕生するのかもしれない。しかしながら、現在65歳のベリチックHCが率いる政権が次期コーディネーターたちと過ごすシーズンで最後になると考えることもできる。ペイトリオッツは再びリーグ最高峰の眼力で次なるスターコーチを掘り出しにかかる。年齢との戦いに挑み続けるブレイディの動向から目が離せない一方で、マクダニエルOCとパトリシアDCを継ぐ者が誰になるのか、今後のペイトリオッツの動向にも注目だ。
いずれにしても、第53回スーパーボウルで彼らの姿を見る可能性は高いだろう。
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