元イーグルスOCのフランク・ライクがコルツHC就任へ
2018年02月12日(月) 10:18フィラデルフィア・イーグルスを第52回スーパーボウル制覇へと導いた陰の立役者の1人がインディアナポリス・コルツの次期ヘッドコーチ(HC)就任に合意した。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロは現地11日(日)、情報筋の話を元にイーグルスの攻撃コーディネーター(OC)を務めていたフランク・ライクが5年契約でコルツのHC就任を承諾したと伝えている。今回の決定によって、紆余曲折を経たコルツのHC探しがようやく幕を閉じた。今回の騒動は先週の火曜日、ニューイングランド・ペイトリオッツのOCジョシュ・マクダニエルが一度承諾したコルツのHC職を急きょ辞退するという事態に端を発する。
先週9日にコルツのジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードと面談した56歳のライクは、コルツに好印象を抱いたようだ。コルツはまた、ニューオーリンズ・セインツのアシスタントHC兼タイトエンド(TE)コーチのダン・キャンベル、バッファロー・ビルズの守備コーディネーター(DC)レスリー・フレイジャーとも面談を行っていた模様だ。
バラードGMは7日に具体的なタイムテーブルを明かしていなかったものの、コルツとしては可能な限り早期に指揮官を施設へ招き入れることが重要だった。ニック・フォールズと共にペイトリオッツを相手にスーパーボウルで勝利を収めた功績から、ライクは他チームでのHC就任の可能性が高い人物の一人として挙げられていた。
ライクがコルツへ向かうことにより、イーグルスのHCダグ・ペダーソンが率いる攻撃陣のスタッフには2つの大きな穴ができることになる。コルツでQBコーチを務めていたジョン・デフィリッポは先週金曜日にミネソタ・バイキングスのOC就任が決定した。
選手として、コーチとして、25年以上ものNFL経験があるライクは、2016年にペダーソンHCの下でOCに就任。去年からリーグの中でも最も前途有望とされていた新人QBカーソン・ウェンツの育成に尽力し、昨年12月にACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)とLCL(外側側副靭帯/がいそくそくふくじんたい)を損傷する前まで、ウェンツは今季の年間MVPが受賞可能なレベルにまで成長を遂げた。
イーグルスOCに就任する以前のライクは2013年からサンディエゴ・チャージャーズのQBコーチを務めた後、OCへの昇格を果たして2シーズンを務めあげた。また、2012年にはアリゾナ・カーディナルスでワイドレシーバー(WR)コーチとしても活躍している。
ライクのコーチングキャリアは2006年にコルツで経験したインターンから始まっており、その後、攻撃アシスタントに昇格し、さらにはQBコーチへと昇進していた。リーチは2009年と2010年のシーズンを合わせて合計9,200ヤードを投じたペイトン・マニングの育成にも精を出した。故障によってマニングがシーズンを棒に振った後、2011年にはコルツのWRコーチにも就任している。
コルツはライクがこれまでにマニングやフィリップ・リバース、ウェンツ、フォールズらと共に収めてきた成功を、手術後の長引く肩の不調によって2017年シーズンを棒に振ったアンドリュー・ラックとも見せてほしいと期待する。エースQBラックなきコルツは4勝12敗と散々な結果に終わり、最終的にHCチャック・パガーノの解任にまで至っている。コルツ内部は元全体1位指名のラックが来季には完全復活を遂げるだろうと信じて疑わない。ここ3年間プレーオフ進出がないチームにとって、ラックの活躍は極めて重要な意味を持つことになる。
ライク新HCには他にもコーチングスタッフの改編作業が残されている。元ダラス・カウボーイズのラインバッカー(LB)コーチ、マット・エバーフラスもまたそのうちの1人だが、現在のコルツにはマクダニエルのHC就任を見込んで契約を結んだアシスタントコーチが複数在籍しているのだ。先週水曜日、どの人物がHCに就任しようともアシスタントコーチ陣はうまくやってくれるだろうと自信を覗かせていたバラードGMだが、大抵の場合はHCがアシスタントコーチの指名権を持つ。
それでも、土壇場でのマクダニエルによるHC就任拒否というトラブルに見舞われたコルツは、ようやくドタバタの1週間を乗り越えて前に進む体勢が整ったことになる。ロースターにはテコ入れを行うべき部分がいくつかあるが、バラードGMはライクと一緒であれば再びコルツがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の頂点に返り咲くことも可能だと考えているようだ。NFLコンバイン開催まで2週間以上の余裕を持ってHCを決定できたことにより、コルツはより正常運転に近い形でチーム運営を行うことが可能となった。
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