ニュース

シーホークスCBシャーマンは移籍が決定的に

2018年03月08日(木) 11:58

シアトル・シーホークスのリチャード・シャーマン【Peter Read Miller via AP】

今オフシーズン、 “リージョン・オブ・ブルーム”と称されたリーグ最強のシアトル・シーホークス守備陣に大きな穴ができるようだ。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートは現地7日(水)、2018年度もコーナーバック(CB)リチャード・シャーマンがシアトルでプレーする可能性は低そうだと報じた。シャーマンは先日中にチームメイトに対して別れの言葉を伝えていたという。

ラポポートは情報筋の話を元に、シャーマンが7日にジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダーとヘッドコーチ(HC)ピート・キャロルと面談しており、この後にチームがシャーマンのトレードパートナーを探す見込みが高まったようだと伝えた。シーホークスはリリース、もしくはトレードを行う可能性もあるが、これまでとは異なるサラリーを提示してシャーマン残留を試みる可能性もあるとラポポートは指摘する。いずれにせよ、現段階で最終的な決断は何も下されていないとのことだ。

シーホークスのディフェンシブバック(DB)たちがソーシャルメディア上でチーム内に何かしらの変化があったとほのめかしたことで、シャーマンのチーム離脱が一層現実味を帯びたものとなった。

CBジェレミー・レーンは『Twitter(ツイッター)』上で「あのメールにはかなりのショックを受けた・・・背番号25は俺の相棒だったのに」と投稿し、ストロングセーフティ(SS)カム・チャンセラーもまた、ツイッターで「“Chancellor of Operations(チャンセラー司令部)”なんていう名前を付けてくれてありがとうよ @RSherman_25」と述べている。

昨オフシーズン中もシャーマンのトレードについては議題に挙がっていたものの、最終的にシーホークスはシャーマンをとどめることで話をまとめた。NFLスカウティングコンバインを視察していたキャロルHCは先週、今オフシーズンにおけるシャーマンのトレード状況に関して“具体的に言えることは何もない”と述べていた。

2017年度のシャーマンは右足のアキレス腱を断裂してわずか9試合の出場にとどまった。キャロルHCは先週、シャーマンが先日に左足のアキレス腱手術も受けたことを明かしている。シャーマン本人は水曜日にNFLネットワークのトム・ペリセロに対し、キャロルHCが言及した2度目のアキレス腱手術は過去3年間にわたって煩(わずら)わされた骨の突起部分を除去するためのものだったと述べ、6月頃までには復帰する予定だとも明かした。ただし、その時にどこでプレーしているかはまだ分かっていない。

シャーマンは2018年に1,100万ドル(約11億7,000万円)を受け取る予定だ。

シーホークスが今月30歳になるシャーマンを放出したとすれば、チームがオフシーズン史上最大の変革を経験することになるのは間違いない。

スーパーボウル出場を果たした際、シーホークスが誇るNFL史上最強クラスの守備陣をリーダーとしてけん引し続けたのはシャーマンだ。

オールプロに3回、プロボウラーには4回も選出されたシャーマンは、2011年にドラフト5巡目でプロ入りして以降、32インターセプトを記録してその数はリーグトップに君臨している。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると同じ期間においてシャーマンは300回以上のターゲットでパスディフェンス(99回)と被パス成功率(47.4%)をマークしてリーグナンバーワンに輝いている。

年齢は重ねているものの、シャーマンは今後しばらくの間も相手クオーターバック(QB)を苦しめるリーグ屈指のコーナーとして活躍し続けるだろう。

2017年シーズン、シャーマン出場の有無でシーホークスの戦果にこのような差が出ている。

シャーマンの出場試合:1試合平均被得点18.3点、被トータルヤード318.9ヤード、被パスヤード217.9ヤード、被サードダウン成功率35.5%、被レッドゾーン内タッチダウン成功率43.5%

シャーマンの欠場試合:1試合平均被得点23.9点、被トータルヤード328.7ヤード、被パスヤード198ヤード、被サードダウン成功率41.6%、被レッドゾーン内タッチダウン成功率52.6%

サラリーや年齢、さらにはケガの問題もあることで、シーホークスがシャーマンのトレードで多くの利益を手にする可能性は低いだろう。しかし、シーホークスがシャーマンをカットしたとなれば、食いつく球団は大勢現れるはずだ。

コーチ陣の一掃も敢行したシーホークスにとっては、シャーマンの放出が最後の変革ではない。

ラポポートは7日、シーホークスがドラフト7巡目指名権付でパスラッシャーのマイケル・ベネットをフィラデルフィア・イーグルスとのトレードに出し、その見返りとしてドラフト5巡目の指名権とWRを獲得したと報じている。

これらの動きに加え、シーホークスが首の負傷に苦しむクリフ・アブリルとカム・チャンセラーの2人もリリースする可能性は高いと見られている。

【S】