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テキサンズがQBワトソンに新たな攻撃戦略を導入

2018年03月29日(木) 12:18

ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Eric Gay】

昨年11月にACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を損傷するまで、ヒューストン・テキサンズのクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンはリーグトップとなる19タッチダウンでNFL界を席巻していた。

ワトソンが故障離脱する前までの5ゲームで驚異的な1試合平均39点をマークしていたことを考慮すれば、テキサンズファンはヘッドコーチ(HC)ビル・オブライエンが今季も先シーズンと同様のオフェンスで挑むだろうと期待するだろう。

しかしながら、2018年度のテキサンズはその予想に反する動きを取っているようだ。

オブライエンHCはフロリダ州オーランドで開催された年次リーグミーティングで『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームズ・パーマーに対し、今オフシーズンはこれまでとは全く違った攻撃戦略を導入していることを明かした。

パーマーは現地28日(水)放送の『Up to the Minute Live(アップ・トゥ・ミニット・ライブ)』の中でこのように語った。

「なぜ全く異なるオフェンスを導入するのか? オブライエンは私に先シーズンのワトソンの動きは皆が目撃したはずだと語った。手法を変えた彼らはまだ完全に導入しきれてはいない。まだまとめ作業に入った段階にいるようだ」

「また、デショーンのスキルが特徴的であり、決定力があると同時に、他の者とかなり異なっているため、これを教える作業はとてもチャレンジングになるともオブライエンは語った。・・・(中略)しかし、テキサンズのオフェンスは今、劇的に変貌を遂げている」

プロ入り後3ゲーム目の先発時にはすでにウィル・フラーの縦に切り裂くスピード、ディープゾーンにおけるブルース・エリントンの華麗な身のこなし、そして、ディアンドレ・ホプキンスのシングルカバレージを食い物にする能力を巧みに利用しながら、ワトソンは相手ディフェンスを幻惑するランゲームを展開していた。

ラン・パスオプションや従来通りのオプション、プレーアクション、そしてポケットの動きを基にしたワトソンが強みとするプレーでNFLへの移行をスムーズにした点でテキサンズコーチ陣には功績があろう。とは言え、フットボール界最高峰の舞台でミスディレクション一辺倒の攻撃パターンは必ず攻略されるのがオチである。

テキサンズがワトソンのプレーメイキング力やずば抜けた本能的動きを生かすプレーを削除すると言うわけではないが、チームが相手ディフェンスに対して新たな側面を披露する一方で、ケガのリスクを減少させようと目論んでいるのは確かだ。

フットボールの発展はオフェンスの革新がディフェンスの適応を促してきた歴史でもある。入念に練られた攻撃戦略の中でデュアルスレットのQBたちを躍動させた過去のように、オブライエンHCは聡明なディフェンス思考を持った相手の一歩先を歩み続けざるを得ないのだ。

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