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イチローの疑問・・・トム・ブレイディって誰?

2018年05月11日(金) 07:08


シアトル・マリナーズのイチロー【AP Photo/Elaine Thompson】

レブロン・ジェームズを除き、おそらく、アメリカで最も有名なアスリートと言えばトム・ブレイディの名が挙がるだろう。超一流のスポーツアスリートであり、伝説的かつ神話的、神のようにも崇高され、“グランマテスト”ですら高確率で正解をたたき出すであろう、まさに誰もが知る存在だ。

しかし、ブレイディの計り知れない社会的印象を誰もが持っているわけではない。例えば、先ごろ今シーズンにこれ以上の試合出場はないと公表したイチローがそうだ。イチローがメジャーリーグ(MLB)のキャリアをスタートさせたのは2001年。同じ年、トム・ブレイディはニューイングランド・ペイトリオッツの先発ラインアップに名を連ねた。以来、いわゆる日本でのトム・ブレイディ的存在と言えるイチローは17年間をアメリカで生活してきた。

アメリカンカルチャーにこれだけの露出量があることを考えれば、17年、その間にイチローのレーダーがブレイディの名を捕らえるはずだと思う人は多いだろう。しかしそうは問屋がおろさない。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』のピーター・ガモン記者が伝えたイチローの回顧録から抜粋した一部を紹介する。


2017年の春季トレーニング中のとある朝、コーチ部屋にいたイチローは携帯電話でテキストメッセージを見ていた。見知らぬ番号から送られてきたというメッセージについて、コーチ陣に話していたのだ。いわく、その人物はイチローの番号をアレックス・ロドリゲスから聞いたと言い、ぜひ会ってストレッチ方法を学びたいと言ってきたという。

1人のコーチが尋ねた。「そいつの名は何という?」

テキストメッセージの末尾までスクロールしたイチロー。「トム・ブレイディとかいうヤツらしい。トム・ブレイディって誰だよ」

つまりはそういうことだ。ペイトリオッツと対戦する予定のチームのファンには2018年の試合観戦に際してプラカードに失礼かつ情け容赦ない効果的なメッセージを掲げる人もいるだろう。偉大なるイチローの3,090本目のヒットとして記録されたし。


<編集部訳注:イチローのメジャーリーグ通算安打数は3,089本>

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