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オブライエンHC、「真のQBのためには大きな犠牲も必要」

2018年05月15日(火) 10:41

ヒューストン・テキサンズのデショーン・ワトソン【Tom Hauck via AP】

フランチャイズクオーターバック(QB)が存在しないチームにとってはその選手を探し出すことが何よりも重要だ。

フットボール界の核を担うポジション選手に答えを見出すことが、チームを成功させるか、はたまた、破壊させるかを決するとも言える。これこそ、ニューイングランド・ペイトリオッツが15回中14回のディビジョンタイトルを獲得する一方で、クリーブランド・ブラウンズが勝利という希望のない暗闇をさまよい続け、レギュラーシーズン全敗を喫する理由なのだ。

チームが真のQBを発見した時、フランチャイズの未来は一瞬にして変わるかもしれない。

ヒューストン・テキサンズを例に挙げる。ヘッドコーチ(HC)ビル・オブライエンは3シーズンを通じてライアン・フィッツパトリック、ライアン・マレット、ケイス・キーナム、ブライアン・ホイヤー、T.J.イェーツ、ブランドン・ウィーデン、ブロック・オズワイラー、そして、トム・サベージと数多くのQBを試しながら起用してきた。この全員がオブライエンHCの下、テキサンズで先発QBを務めた経験を持っている。

テキサンズは去年、2018年ドラフト(全体4位)の指名権を手放すことによってついにデショーン・ワトソンというダイナミックな司令塔を獲得した。昨季はACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を損傷して6試合のみの出場にとどまったワトソンだが、それでもチームはついにフランチャイズQBを見つけ出したと確信したのだ。

オブライエンHCは『NFL Network(NFLネットワーク)』の『Good Morning Football(グッドモーニング・フットボール)』に出演し、真のQBを獲得するには大きな犠牲も仕方ないものだと語った。

オブライエンHCはこのように述べている。

「どれだけそれが重要であるか、定量化することはできないだろう。それは本当に重要なことなんだ。いかなるチームであっても、そのポジションがチームの夢や希望を運んでいる。それらが可能だと感じ、フィールド外でも全く問題なく、当然ながらフィールド上でもすばらしい存在であること。また、良いチームメイトとなる情熱を持ち、毎日向上心を持って取り組みながら最高のレベルでプレーするための才能を持つ選手がいること。これがチームにとって大きな意味合いを持つ」

ドラフト2巡目指名権を譲渡してオズワイラーの契約を放出し、ワトソンのためにドラフト1巡目指名権も手放したテキサンズは、2018年のドラフト指名権をQBポジションのリセットに利用したとも言える。オブライエンHCにとって、それは単純に過去の過ちを正すためのコストに過ぎなかったのだ。

オブライエンHCはこのようにも語っている。

「それは最も評価が難しいポジションでもある。とても、とても評価が難しい。カレッジ時代に彼らを見ると、そのシステムの中でコーチ陣からどのようなことを言われているのかを正確に知ることはできない。彼らと面談して、今後行うであろうことをいくつか教え、どのような反応を示すか確認する。その選手との面談で最高の時間を過ごす必要があり、その人物を最大限に理解するよう努めなくてはならない。そして、直感でこれだと感じ、チームも同様に感じた時にようやくその決断を下す。NFLのどんなチームであっても、そのポジションは本当に、本当に重要なのだ」

何度かの空振りを経て、テキサンズはようやくワトソンという多面的プレーメイカーを獲得した。ACL損傷が偶然起こった1度きりの故障である限り、テキサンズはスポーツ界で最も重要とされるポジションにチームの長期的な答えをようやく導き出したと言える。

オブライエンHCはワトソンがトレーニングキャンプ参加に向けて順調に回復していることも明かした。

レギュラーシーズンに向けて100%の信頼を置くQBがいることで、オブライエンHCは指揮官として挑む5年目にごく楽な気持ちで挑めるはずだ。

【S】