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「引退は95%の確率」と語るレッドスキンズCBホール

2018年05月15日(火) 13:32

レッドスキンズのディアンジェロ・ホール【AP Photo/Nick Wass】

ワシントン・レッドスキンズのコーナーバック(CB)ディアンジェロ・ホールが相手クオーターバック(QB)を悩ませることはなくなる。

14シーズンを過ごしたホールが現地14日(月)、NFLから引退することを記者に伝えた。ホールはまだテレビ業界やフロントオフィスのポジションにキャリアを移行する可能性については明らかにしていない。

地方紙『Richmond Times-Dispatch(リッチモンド・タイムス・ディスパッチ)』を通じ、ホールは「俺はプレーしないよ。それだけは確実さ。だけど、その他についてはまだ決まっていない」と語った。

このホールのコメントが公表された数時間後、月曜日の夕方にレッドスキンズは『Twitter(ツイッター)』にホールがまだ“正式には引退”していないと投稿した。

ホールは地方ラジオ番組『106.7 The Fan(106.7ザ・ファン)』に対して、「そういうつもりで言ったわけではない」と釈明している。

ホールは月曜夜、次のように打ち明けた。

「フットボールをもうプレーしないかって? それは95%確実だよ。フットボールをプレーするつもりはないが、正しい順序で引退したいんだ。レッドスキンズのオーガニゼーションをリスペクトしているし、チームと一緒に適切なタイミングをもって辞めたいと考えている。公式な引退を表明する前に、少なくともネットワークと内的な契約を済ますまで待ちたかった。あとは、記者会見を開いて引退したかったんだ」

ホールはさらに、先週のNFLネットワークで引退を宣言することについても考えていたようだが、ダラス・カウボーイズのタイトエンド(TE)ジェイソン・ウィッテン引退の花道を邪魔したくはなかったとも明かしている。

現在は元レッドスキンズの攻撃コーディネーター(OC)ショーン・マクベイによって率いられているロサンゼルス・ラムズがオデル・ベッカムの獲得に成功していた場合、ラムズ入りを希望していた可能性もあったと述べたホール。しかしながら、ラムズは現在フリーエージェント(FA)となっている彼いわく、ベッカムほど“ダイナミック”ではないブランディン・クックスを獲得した。

ホールは次のようにも説明した。

「他のところに行く機会はいくつかあったが、そこで与えられる役割は自分が希望するものではなかった。リーダーシップだったり、ロッカールームの男だったりね。(キャリア通算インターセプト)50回を目指せるような役割ではなかったんだ。TV業界ではスターやビッグネーム的存在になれると思っている時に、そのような役回りであと1年間フットボールをプレーする意味はない。新しいキャリアを始めるべきじゃないか? そのようなジレンマをずっと抱えていたんだ。あまり気持ちもないのに、本当にもう1年プレーしたいのかどうかね」

「まずい残り物に手を出そうとするよりも、きっぱり辞めてしまう方がいいだろう」

2004年ドラフトの1巡目でアトランタ・ファルコンズから指名を受けたホールはここ9シーズンと半分をレッドスキンズで過ごしてきた。2008年3月にファルコンズからオークランド・レイダースにトレードされた後はわずか8試合の出場にとどまり、そのまま解雇されている。解雇を受けた3日後、レッドスキンズが1年契約を提示してホールを獲得。最初はCBだったものの、セーフティ(S)にポジションを変更したホールはすぐさまレッドスキンズのセカンダリーとして主軸となった。

34歳のホールはトータルタックル811回、パスディフェンス132回、インターセプト43回を記録し、これはNFL史上63位タイとなっている。多くの故障によってそのキャリアは短縮されてしまったとも言えよう。ここ4シーズンの64試合を通じ、ホールがプレーしたのは22試合のみだ。2017年シーズンに至っては5試合の出場だった。

ホールはこのように語っていた。

「ゴールドジャケットも夢じゃなかったように思えたが、ここ数年のケガによってかなり厳しくなってしまった。今はもう、論外の話だ。だが、また別の方法でそれを手に入れるのは無理じゃないだろう? 今はそれを目指している。役員やコーチとして、自分はまだゴールドジャケットを手にしたいんだ。いつかは最高のジャケットを手にすると信じている」

フルシーズンを過ごした2010年、ホールは当時シカゴ・ベアーズに在籍したジェイ・カトラーから4度のインターセプトを記録してNFLタイ記録を樹立した。カトラーもまた、今年はさすがに引退となるだろう。好敵手であるカトラーがフィールドに登場しなくなる今が、ホールにとっても次のキャリアを目指す良いタイミングなのかもしれない。今後、カトラーとホールが同じテレビ局で新たな職を手にする可能性もあるが、その際にはまた、ホールが“口頭で”カトラーを悩ませるシーンも見られるのではないだろうか。

【S】