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NFLオーナーが国歌斉唱に関するポリシー制定を承認

2018年05月24日(木) 08:55

国歌斉唱中に膝をつくクリーブランド・ブラウンズの選手たち【AP Photo/Ron Schwane】

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルは現地23日(水)、NFLが2018年シーズンに向けて国歌斉唱に関するポリシーを制定したと発表し、選手および関係者はサイドラインに立つことを要求されるものの、ロッカールームにとどまる選択肢も与えられると説明した。

今回の変更は春季リーグ会合でチームオーナーらによって承認され、フィールドにおけるすべての行動に際して国歌への尊重姿勢を示すポリシーの制定は個々のクラブチームに委ねられる。サイドラインで選手が抗議する手段を選べばNFLはチームに罰金を科し、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートらが報じたところによれば、選手にはチームから罰金を科される可能性があるという。

グッデルは今回制定されたポリシーに関して6つの変更がチームオーナーの投票で満場一致の承認を受けたと明かしている。サンフランシスコ・49ersのジェッド・ヨークオーナーは今回の決定プロセスに選手の関与が不足してるとして投票を棄権すると述べていた。

グッデルは声明の中で「本日、採用されたポリシーは地元コミュニティおよび我が国に対する継続的な責任に協調して承認された。NFLと地元コミュニティおよび国家との協調は、その領域、リソース、プレーヤーへの協力において驚異的である。われわれの社会の全局面における正義と公正さの目標を達成すべく、選手との協力を継続できるよう全力を尽くす」と述べている。

「フィールド上の抗議が多くのNFLプレーヤーに愛国心がないとの間違った認識を生み出してしまったことを残念に思う。これは正しくなく、また絶対にそれはあり得ない」

NFL選手会(NFLPA)は今回の新たなポリシーについて、投票に先だって相談されなかったことを明かしている。

「NFLはこの新しい“ポリシー”を進めるにあたって選手会に相談しないことを選んだ。NFLプレーヤーは社会活動や地域での取り組み、軍や法執行機関への支援を通し、また、選手らが懸念する問題への関心を高めるための抗議を通じて、それぞれの愛国心を示している」

「本日のNFLクラブCEOらによる投票はロジャー・グッデルコミッショナーおよびNFLの経営会議長であるジョン・マーラが、われわれプレーヤーリーダーシップに表明した我がリーグの原則、価値、愛国心についての声明に相反する」

「われわれ選手会は今回の新たな“ポリシー”を見直し、団体交渉協定と矛盾するいかなる解釈についても疑問を呈するつもりだ」

グッデルが声明に記したポリシーは以下の通り。

1.フィールドにいるすべてのチームおよびリーグ関係者が起立し、国旗および国歌に敬意を表さなければならない。
2.国歌斉唱に際して全選手がフィールドにそろうことを求める試合運営マニュアルの文言は撤廃される。
3.国歌斉唱にあたり、起立を選択しない個人は国歌斉唱が終了するまで、ロッカールームにとどまる、もしくはフィールド外にある同様の場所にとどまるものとする。
4.フィールドにいる個人が起立せず、国旗および国歌に敬意を示さない場合、リーグはクラブに罰金を科す。
5.各クラブは、起立せず国旗および国歌に敬意を示さない者に対して、上記の原則に合致する内容でそれぞれのルールを制定することができる。
6.起立せず国旗および国歌に敬意を示さないリーグ関係者に対してはコミッショナーが適切な規律を課すものとする。

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