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49ers、CBシャーマンがガロポロの小さな癖を指摘

2018年06月22日(金) 12:00

サンフランシスコ・49ersのジミー・ガロポロ【AP Photo/Tony Avelar】

2017年シーズン、クオーターバック(QB)ジミー・ガロポロが加入して以降を負けなしで過ごしたサンフランシスコ・49ersのファンが満足感を覚え始めると、たった5勝ではサンプルが小さすぎて話にならないと空気を読まずに指摘する者が現れる。

49ersに移籍してきたガロポロは目にもとまらぬ速さのクイックパスやどんな体勢からでも投球する能力、そして、相手ディフェンス陣の裏をかく知性など、感銘的なスキルセットを披露した。

対戦チームの守備陣もオフシーズン中にガロポロの先発5試合と、ニューイングランド・ペイトリオッツでの2試合を分析することで彼への対策を講じ始めている。これによって、一定期間は彼の生産性が低下する可能性もあるだろう。

全員参加のミニキャンプ中、ベテランのコーナーバック(CB)リチャード・シャーマンはすでにガロポロの試合から少し気になる点を見つけていたことを明かした。

シャーマンは49ersのニュースを配信する『Niners Nation(ナイナーズ・ネーション)』のパトリック・ホロウェイに対してこのように語った。

「彼を読めばいいだけ。ボールをパスする動き、投げるかどうかを。その判断を下したら一気に動き出すことだ。ボールから手を離しているのに投げない時は、相手を翻ろうしているんだと思うけど、ボールをパスした時は取りに行く準備をしなくてはならない」

このような状況で批判的な反応をしがちな者は、“スローイングする前にQBがボールから手を離す? いったい誰がそんなことを考えるのだ?“と思ったはずだ。

ガロポロのクイックリリースはボールを投げる際のほんのわずかな一瞬の癖をカバーするには十分ではあるが、シャーマンによる客観的な指摘は的を射ている。ガロポロがどのようにラインへと歩いているか、特定プレーでのドロップは他と違わないか、彼の動作に何かヒントはないかなど、相手ディフェンス陣はまだ若いガロポロの動きビデオで検証し、どこかに手がかりがないか探し出すだろう。

シャーマンがガロポロについて気付いた点を指摘することは49ersにとって、オールプロのベテラン選手をチームに加えた副次的な利益ともなっている。シャーマンはこれまで、その情報を個人だけのものとし、一瞬の癖を見抜いて同地区ライバルを仕留めるために使ってきたに違いない。

相手守備陣もガロポロに関する対策を講じることから、彼の生産性が低下することが予想される。キャリアを通じて無敗なんてことはあり得ないのだ。高額が支払われるQBは今オフシーズン中、どうやらコーチ陣も気にしないような些細なことに奮闘していたようだ。

以前、「ジミーがミスするのを見るのが好きだ」と語ったヘッドコーチ(HC)カイル・シャナハンは続けて次のようにも述べていた。

「ここに来て、それに取り組んでいる彼を見るのが好きなんだ。2日前にダメだったことを修正する姿を見るのがね。彼はミスを感じ取っている。なぜダメだったかを理解し、そして、彼自身でそれを修正したがるんだ。彼にはそれを学んでほしい。ときどきはうまくいかないこともあるのは当然で、そこに学びがある。なぜそうなるのかを知る必要があるし、それによって長期的に継続した成功を収めることができる」

練習でのミスや些細な癖の修正といったことが、オフシーズンの最適な使い方であろう。

【S】