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2018年NFLトップ100選手の第1位に輝いたのは・・・?

2018年06月27日(水) 09:03

NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

2018年NFLトップ100選手の上位10人が発表された。驚きとなったのはグリーンベイ・パッカーズのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースが若き新星たちに順位を抜かされたことくらいだろう。

ニューイングランド・ペイトリオッツのトム・ブレイディが再びトップ選手100人の中で1位に輝いた。下記に2018年のトップ10選手を紹介していく。

第10位 アーロン・ロジャース(パッカーズ、昨年6位)

まるでその価値が知られていなかったかのようだが、昨季はシーズンの折り返しを待たずして鎖骨を骨折し、離脱を余儀なくされたロジャースが再びその存在価値を証明した。ロジャースの故障離脱によって4勝1敗のチームは急降下。シーズン終盤に復活したものの、時すでに遅しだった。その名はブレイディに次ぐリーグ最高のQBとして挙げられることも多いが、34歳のロジャースはまだあと5年ほどは活躍してくれそうだ。すべての側面を考慮しても、ロジャースが10位より高順位に入らなかったのは驚きだ。故障がその原因であるのは言うまでもない。

第9位 ボン・ミラー(デンバー・ブロンコス、昨年2位)

ミラーが所属するブロンコスの昨シーズンは5勝11敗とひどかった。だが、この戦績の非はミラーにない。ミラーはリーグのベストエッジラッシャーであり、相手のタックルにとっては一番対戦したくない相手だろう。今後もまだまだその能力は衰えそうにない。昨季のミラーはタックル57回、パスディフェンス3回に加えて4年連続2桁(けた)となるサック10回をマークした。昨季のミラーは対となるエッジラッシャーの存在なしでここまで成し遂げた。だが、今季は新人のブラッドリー・チャッブがその役割を果たしそうだ。ミラーが再びトップ5に返り咲く可能性もあるだろう。

第8位 ドリュー・ブリーズ(ニューオーリンズ・セインツ、昨年16位)

2017年シーズン、再びQBブリーズが均整のとれた愉快なオフェンス陣を率いる姿は見ていて爽快であり、美しく、心温まるものだった。ブリーズがトップ10に再びランクインするのもまた同様の気分である。不老かとも思われるブリーズはキャリアハイとなるパス成功率72%をマークして4,334ヤードを積み上げたが、タッチダウンは23回と通常よりも低かったのだ。この原因は優秀なランニングバック(RB)にマーク・イングラムとアルビン・カマーラの存在があったからだろう。ブリーズにとっては、自身の得点は減ったものの、2009年以来のタイトル獲得以降で一番のチームとなっていた。39歳という年齢であれば8位というランクも充分すぎるだろう。

第7位 アーロン・ドナルド(ロサンゼルス・ラムズ、昨年15位)

最優秀守備選手賞を獲得したドナルドはまだその見返りを受け取ってはいないが、今後もより一層の活躍をするはずだ。昨年のドナルドはディフェンシブタックル(DT)のポジションからサック11回とタックル41回を記録したが、最も感銘的なスタッツは5回のファンブルフォースドに違いない。27歳という若さで疑いようもなくリーグナンバーワンのDTとなったドナルド。リーグの中でも層の厚さがトップクラスのロースターを誇るチームで、ただただ成長を続けるばかりだ。

第6位 トッド・ガーリー(ラムズ、昨年は記録なし)

ドナルドのチームメイトである攻撃選手のガーリーがここでランクイン。ゲームを支配したRBが2017年の最優秀攻撃選手賞を受賞した。1キャリー平均3.2ヤードと低迷したシーズンを経て、スターRBはヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイによる多方面的攻撃戦法の中、1,305ヤード(平均4.7ヤード)、13タッチダウンをマークしながらもキャッチ64回で788ヤード、6タッチダウンをマークして再びその名を轟かせた。2017年シーズンのラムズを押し上げたのは守備のドナルド、攻撃のガーリーという2人のリーグナンバーワンプレーヤーだ。両選手の若さを考慮すれば、来たる数年間において彼らが同様のインパクトを残すと考えることに異論はないはずだ。

第5位 リビオン・ベル(ピッツバーグ・スティーラーズ、昨年9位)

契約問題を不問とすれば、ベルが現在のNFLにもたらした功績は計り知れない。忍耐強さを持ったテールバック(TB)を見ればいつでも、みながベルを思い浮かべるはずだ。もちろんのことベル以前からそれは存在したものの、NFLという最高峰の舞台でベルが絶大な成功を収めたことによってその我慢強いランは確立されたと言える。

第4位 フリオ・ジョーンズ(アトランタ・ファルコンズ、昨年3位)

スーパーボウル敗戦後の苦い後味がきれいさっぱり消え去ったのはほとんどがジョーンズのおかげだろう。2年連続で80回以上のパスキャッチ、1,400ヤード超えを記録した真なるスーパースターWRはファルコンズを相手するチームの戦い方をも変えている。昨季のジョーンズはエンドゾーンに3度しかたどり着かなかったが、もたらす影響力に変わりはない。リーグのベストWRはアントニオ・ブラウンかジョーンズかといった議論も頻繁である。2018年シーズンにジョーンズはまた、自身がリーグナンバーワンであることを証明するだろう。

第3位 カーソン・ウェンツ(フィラデルフィア・イーグルス、昨年は記録なし)

このランキング自体が少し極端である。2017年シーズンのウェンツは優秀であり、今後も継続して成功を収めるはずだ。ただし、まだ3年目のウェンツが3位に入るのはどうなのだろうか。膝の故障でシーズンを最後まで戦えなかったことも考慮されるべきだろう。このランキングは若い世代にとっては納得のいくものかもしれないが、ウェンツはトップ5に入るほどなのか。少なくとも、ロジャースより上に来るのはいただけない。それでも、2016年ドラフトでイーグルスがトレードアップしてまで獲得に走った理由をウェンツ自身が証明してきたのは間違いない。ウェンツの33対7というタッチダウンとインターセプトの比率は多くの者を納得させるのに充分な数値だが、ゲームごとに異なるパフォーマンスはより多くの者を納得させるだろう。健康な状態で復帰可能であれば、来たる10年はこの選手を見て楽しむことができるだろう。

第2位 アントニオ・ブラウン(スティーラーズ、昨年4位)

ブラウンは多くの事柄に秀でているため、ベストスキルを定義することは難しい。ブラウンのルートランは正確で、トップスピードに乗るまでもスムーズ。崇高な能力である。そして、ブラウンの並外れたキャッチ能力も忘れてはならない。元ドラフト6巡目指名のブラウンは今や安定感のお手本となっている。過去5シーズンは毎年キャッチ100回、1,200レシービングヤードをマークし、2桁タッチダウンに届かなかったのはわずか2回だ。スティーラーズにはハイレベルなQB(ベン・ロスリスバーガー)に加え、最高クラスのRBとWRが在籍している。このチームが半永久的な成功を収めているのも無理はない。

第1位 トム・ブレイディ(ペイトリオッツ、昨年1位)

1年前のブレイディはここで“the G.O.A.T(the Greatest of All Timeの略、ザ・ゴート)”と呼ばれた。5度目のスーパーボウル制覇を成し遂げた昨年のブレイディに、何か打ち勝つべきものが残っていたのか。実際には1年後に打ち負かされた。少なくとも、一時的には。現在のブレイディには今まで以上のドラマが取り巻いているが、自身6つ目となるリング獲得を目指し、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のタイトルを狙うために才能ある仲間たちとの準備を進めている。ブレイディの引退はもうじきか? ブレイディ、ビル・ベリチックHC、ロバート・クラフトオーナーが形成してきた優勝請負3人衆による関係はついに崩壊するのか? なぜこれらの疑問を投げかけるかと言えば、ブレイディはブレイディのまま、ザ・ゴートであり続けるからだ。フットボール界最高の選手は今年もブレイディである。

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