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バイキングスがWRディッグスと5年の大型契約を締結

2018年08月01日(水) 10:00

ミネソタ・バイキングスのステフォン・ディッグス【AP Photo/Jeffrey Phelps】

契約は今年の夏中にはまとまるはずだと力説していたワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディッグスが宣言通りの展開を迎えた。

現地31日(火)朝、情報筋の話を元に『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロとマイク・ガラフォロはミネソタ・バイキングスと若きWRが新契約を締結したと報じた。チームは後にこの契約を公表している。

同じくNFLネットワークのイアン・ラポポートはこの契約が4,000万ドル(約44億7,000万円)の保証付き、5年で約7,200万ドル(約80億5,000万円)、最大で8,200万ドル(約91億7,000万円)に至るようだと報じている。ディッグスはサインボーナスの1,500万ドル(約16億円7,000万円)を受け取り、さらには今年のベースサラリーとなる1,690万ドル(約19億円)が保証されているようだ。1,440万ドル(約16億1,000万円)のベースサラリーはリーグのWRの中でトップ10に入るが、ディッグスが5年にわたって最高額に到達した場合、年俸平均は1,620万ドル(約18億1,000万円)となり、サミー・ワトキンスやブランディン・クックスが今オフシーズンに結んだ契約と比肩することになる。

新人契約の最終年に190万7,000ドル(約2億1,000万円)を受け取ることとなっていた5年目のディッグスにとっては驚くほどの上昇率だろう。100レシーブ、1,000ヤードを達成したシーズンのないディッグスが今、大きな契約を勝ち取った。バイキングスはディッグスに大いなる可能性を感じているようだ。バイキングスは成長中の若きWRとの契約を早めに締結させ、しばらくの間はチームから出て行くことを防いだ。サラリーキャップが拡大し、価格が上昇する中でディッグスが健康な状態を保てた場合、今回の契約はチームにとって2、3シーズンの間は友好的なものとなるだろう。

ディッグスの最も有名なプレーは昨年度に勝利を挙げたニューオーリンズ・セインツとのプレーオフゲーム、“ミネソタ・ミラクル”の中で見せたものだろう。しかしながら、ディッグスはもうその1プレーのみで必要とされているプレーヤーではない。

弱冠24歳にしてルートのテクニシャンとして活躍するディッグスはあらゆるレベルで負けを知らず、ダウンフィールドの達人と化してきた。メリーランド大学出身のディッグスはドラフト指名後からの3シーズンを通して200レシーブ、2,472ヤード、15タッチダウンをマークしている。スクリメージラインでの勝負にも勝てる能力を備え、接戦でのキャッチ力にも定評がある。昨季のディッグスは『Next Gen(ネクスト・ジェン)』の統計によるタイトウインドーでのキャッチ率と、『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』の調べによる競り合った際の勝負強さを示す“コンテステッド・キャッチ・エフィシエンシー”でリーグナンバーワンに輝いた。

ディッグスに関する唯一とも言える不安は健康問題だった。3シーズンを通じていまだに16試合のフル出場を果たした経験がなく、引き締まってはいるものの、わずか87㎏ほどの体重がケガを誘発する原因だと不安視されていた。それでも、ディッグスの圧倒的な身体能力はその不安をも払拭(ふっしょく)している。

先日にはミネソタの地を去りたくないと発言していたディッグスのその願いは新契約によってしばらくの間叶うことになる。

ディッグスは「ミネソタにいたい。ここにいるのが大好きなんだ。この組織の一部でいることが本当に好きだ。彼らが早くから俺にチャンスをくれた」と述べている。

昨季にはWRアダム・シーレンがチームと友好的な4年契約を締結させていることから、バイキングスは今、(評価はまだ低いものの)リーグ最高峰のデュオを来たる数年は確実に確保する形となった。

ディッグスの契約は今オフシーズン中、ディフェンシブエンド(DE)ダニエル・ハンターとラインバッカー(LB)エリック・ケンドリックスが契約を終えた後に交わされた。これにより、チームにとって次なる動きとなるのはLBアンソニー・バーとの契約だろう。ジェネラルマネジャー(GM)リック・スピールマンはバーとの契約に関し、妥協点を早いうちに見つけ出したいとも明かしている。最悪でも、今回ディッグスと新契約を結んだことによって、バイキングスが来年度のオフシーズンにフランチャイズタグを指定する際にどの選手に対してその指定を行うかの判断は容易になったと言えよう

ディッグスとの契約を締結させたバイキングスは今、チームの中心となる選手たちをすべて契約下に収め、あと複数年の残留を確実としている。ディッグス、シーレン、ケンドリックス、カーク・カズンズ、エバーソン・グリフェン、リンバル・ジョセフ、ライリー・レイフ、ハリソン・スミス、ダルヴィン・クックらは最低でも2020年シーズンまではバイキングスの契約下だ。

核を担うプレーヤーが多数所属するバイキングスは今後の数年でたくさんの“パープル・パーティ”を開いてくれそうだ。

【S】