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ジェッツ、ブリッジウォーターの活躍で激化する先発QB争い

2018年08月17日(金) 14:10

ニューヨーク・ジェッツのテディ・ブリッジウォーター【AP Photo/Alex Brandon】

現地16日(木)、ニューヨーク・ジェッツの将来的なフランチャイズクオーターバック(QB)と目されるサム・ダーノルドに一極集中してきた注目は、一部、テディ・ブリッジウォーターへと向けられている。

この日、ワシントン・レッドスキンズとのプレシーズン第2戦で前半のすべてを任されたのはダーノルドだった。しかし、ジェッツが15対13で黒星を喫したレッドスキンズ戦でダーノルドは思うようなパフォーマンスを披露できていない。2018年ドラフト全体3位でプロ入りしたルーキーQBのダーノルドはレッドスキンズのプレッシャーに苦しみ、ダブルカバレージの相手に対してインターセプトを記録し、敵陣地ダウンフィールドへのパスに失敗した。

とはいえ、オフシーズン中にほとんど強化されなかった脆弱(ぜいじゃく)なオフェンシブライン(OL)に囲まれたダーノルドがほぼ助けのない状態で戦っていたことは言うまでもない。

プレシーズンの2戦を通して、元USC(南カリフォルニア大学)のスターQBであるダーノルドは29回のパスを投じて21回成功(72.4%)、158ヤード(1アテンプト平均5.45ヤード)、タッチダウン1回、インターセプト1回、パサーレーティング82.3を記録している。最も問題視されるのは、ダーノルドが10回のポゼッションで2回のスコアリングドライブしか記録していないことだろう。

フランチャイズの前途有望なスタープレーヤーとして、彼がそのポテンシャルの片鱗を見せなかったというわけではない。リーグ最年少QBのダーノルドはまず、コーチ陣からショートとミドルレンジでのパス精度やタッチ、回避能力、守備力や安定感においてより良い点数をもらえるはずだ。

一方、ブリッジウォーターにアドバンテージがあるとすれば、判断能力や美しいほどのパス精度、そして、ディープを狙う野心の強さだ。ブリッジウォーターは2試合を通してパス23回中17回を成功させ(73.9%)、212ヤード(1アテンプト平均9.2ヤード)、タッチダウン2回、インターセプト1回、パサーレーティングは113.0をマークしている。

トレードでドラフト指名権を譲渡するなどを考えても、ジェッツにとってブリッジウォーターは費用対効果的に最も優れたプレーヤーとなるかもしれない。足の大ケガから復活したブリッジウォーターは見事に本来のポジションへと舞い戻ってきた。『NFL Network(NFLネットワーク)』で解説を務めるチャーリー・キャサーリーはジェッツ版のブリッジウォーターは2014年のミネソタ・バイキングス時代にペプシのルーキー・オブ・ザ・イヤーを獲得した頃の姿に戻りつつあると述べ、『Twitter(ツイッター)』では「ジェッツに来てからのブリッジウォーターは正確なロングスローを投じ、故障したバイキングス時代よりも強い肩を披露している」とも語っている。

今後の2週間を通してジェッツのQBの布陣が変化することもありそうだ。

ダーノルドを上回る活躍を見せ続けたとして、ブリッジウォーターに公平なチャンスが与えられるのか。はたまた、ニューヨークの街からトレードで追い出される可能性もあるのではないか。その一方で、ブリッジウォーターとダーノルドの両者が第3戦で共倒れとなれば、ヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズが頼れるベテランQBジョシュ・マカウンにバトンを渡すのかどうかも興味深いところだ。次週のゲームでダーノルドが改善されたパフォーマンスを披露してファンを沸かせるとすれば、両ベテランQBがベンチでレギュラーシーズンの開幕を迎える可能性も有り得るだろう。

少なくともあと1週間はリーグの中でも最も激しいだろうQB争いが続くジェッツから目が離せない。

【S】