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手術担当医が語るジェッツQBブリッジウォーターの当時の状態

2018年08月23日(木) 13:45

ニューヨーク・ジェッツのテディ・ブリッジウォーター【AP Photo/Alex Brandon】

ニューヨーク・ジェッツのバックアップクオーターバック(QB)テディ・ブリッジウォーターの復活は今季プレシーズンのハイライトの1つでもある。ここまでのブリッジウォーターの活躍は驚異的であり、パス精度やボールのスピードに関してはまるでNFLの先発QBのようだ。

現在のパフォーマンスは2016年8月のノンコンタクト練習中に膝を大ケガする前の、ドラフト1巡目指名で入団したミネソタ・バイキングスでチームの看板を背負う選手になるとまで言われた当時のブリッジウォーターを思い起こさせる。

『ESPN.com』のイアン・オコナーとの対談の中で、ブリッジウォーターの外科手術を担当したダン・クーパー医師はブリッジウォーターの膝がいかに想像を絶するような状態だったかを明かした。

「おぞましいほどグロテスクな負傷だ。中はめちゃくちゃで、皮膚を切開しても何もないような状態だった。ほぼ戦地での負傷と同じだ。すべてがなかったのだからね」

ビル・パーセルズによってブリッジウォーターに紹介されたダラス・カウボーイズのチームドクターでもあるクーパーは、ブリッジウォーターのACL(膝前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)再建手術を含む2カ所の外科的処置を行った。幸いにも、ブリッジウォーターの動脈や神経へのダメージはなく、切断手術に至ることはなかったという。

クーパーは当時の様子を続けてこのように語った。

「それでも、今までに私が見てきたスポーツ時の膝の負傷の中で、神経や脈管に損傷がなかった中で最悪なケースだったのは確かだ。そのケガから復帰可能となるNFL選手は約20%から25%。・・・(中略)本当にひどい損傷だった。膝にあるすべてのものが断裂していた。膝はドアのちょうつがいのように、1つの靭帯によってぶら下がっているような状態だった」

復帰確率約20%の負傷からの復活はブリッジウォーターの精神力の強さを物語っている。

クーパーは「あの手術は絶対的な精神的試練でもあった。本人の底力を試すようなもので、それを乗り越えられなかった人たちも見てきた。テディがそれに屈したのを私は見たことがない。・・・(中略)彼がどれほど懸命な努力をしたか、多くの人には分からないだろう。爪楊枝のようにやせ細った足を復活させなくてはならなかったのだから」とも述べた。

手術に関わった医師からのコメントをふまえるとなお一層、ブリッジウォーターの復帰に感銘を受けるはずだ。

【S】