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イーグルスQBウェンツ、いまだ接触プレーは不可

2018年08月27日(月) 11:32


フィラデルフィア・イーグルスのカーソン・ウェンツ【AP Photo/Matt Slocum】

プレシーズンも最終週が近づく中、いまだPUPリスト(故障者リスト)に残されている選手の確認や、彼らが現地9月1日(土)のデッドラインまでにリストから外れることは可能かどうかなどと、各チームはピリピリとした時期を迎えている。

ここに来てフィラデルフィア・イーグルスのクオーターバック(QB)カーソン・ウェンツがレギュラーシーズン開幕からの6試合に欠場する可能性も浮上している。シーズン開幕まであと11日と迫る中、ウェンツにはまだコンタクトプレーの許可が出ていない。イーグルスファンは冷や汗をかき、記者たちはヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンに対してウェンツの現在の状態を毎日でも確認せざるを得ない状況だ。

26日、ようやく重い口を開いたペダーソンHCは「何回この手の質問に答えれば良いのか。ドクターがクリアと言えば、彼はクリアになる」と述べている。

この返答がイーグルスファンの心をなだめるわけもなく、質疑応答は続けられた。

ウェンツのクリアがいつごろになりそうかと問われたペダーソンHCはこのように応じている。

「自分を不利な状況に置くつもりはないし、われわれのクオーターバックをそのような状況に置くつもりもない。そんなことはしないさ。危険を犯すつもりはないし、それを言うつもりもない。どのような方法で聞かれようとも、返って来る答えは同じになる」

このトピックに関し、ペダーソンHCは明らかに快く思っていない。ここ最近のバックアップQB(昨年度スーパーボウルMVP)ニック・フォールズが2017年シーズンの仕上がりではなく、信頼を置かれてアレックス・スミスのバックアップを務めたカンザスシティ・チーフスでの2016年シーズンでもない、2015年頃の微妙なパフォーマンスを見せているのも不安な点だろう。

当然ながら、レギュラーシーズンが多少不愉快な形で近づく中、スーパーボウルのタイトルや攻撃陣の質を保つためにかかるプレッシャーは相当重たいはずだ。繰り返されるウェンツの回復状況に関する質問に対し、ペダーソンの返答が徐々に雑になるのも理解できる。

ペダーソンHCは次のように発言した。

「毎日だ。それが欲しい答えであるならね。彼はリハビリプロセスの最中だ。練習の中でその動きが確認されている。メディカルチームが状態をチェックしているんだ。ジェイソン・ピータースやダレン・スプロールズなども同様に治療を受けているが、彼らについての質問はないのか。ジョーダン・ヒックスやクリス・マラゴスだって同じだ。彼らも毎日の様子がチェックされている」

まだ“クリア”とはなっていないものの、ウェンツが11対11のドリルには参加しており、イーグルスが思われるほど危機的状況にいるわけではなさそうな点には留意しておきたい。クリーブランド・ブラウンズに黒星を喫したプレシーズン第3戦の前にも、ウェンツはワークアウトでかなり安定したパフォーマンスを披露していた。

シーズン第1週に関して言えば、ヒットを受けることに対する許可がまだ下りていないことは重要な指標となるが、それでもなお、チームがウェンツを自主的に開幕からの6戦に欠場させる手段を採るとは考えにくい。ましてや、フォールズが不調であることにチームはかなりの不安を覚えているに違いない。さらなるバックアップQBネイト・サッドフェルドがいたとしても、その不安が消え去ることはないだろう。ウェンツに関してはちょっとした懸念事項ではあるが、周囲が騒ぎ過ぎているという感じも否めない。今週末直前に、再び状況を確認した方が良さそうだ。

【S】