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スティーラーズRBベルはテンダーにサインせず、今季は出場不可能に

2018年11月14日(水) 10:14

ピッツバーグ・スティーラーズのリビオン・ベル【AP Photo/Keith Srakocic】

現地13日(火)、数カ月にわたって繰り広げられたランニングバック(RB)リビオン・ベルが今季中にプレーするかどうかという問題にようやく終止符が打たれた。

予想されていた通り、CBA(団体労働協約)に記載されている13日のデッドラインまでにスティーラーズのフランチャイズテンダーにサインせず、リーグ最高クラスの生産的なRBベルが今季中にプレーすることは不可能となった。タグ指定の下で受け取れたはずの1,445万ドル(約16億4,000万円)を放棄したことにより、ベルが来季もスティーラーズでプレーする可能性は現実的に低くなっている。

スティーラーズのジェネラルマネジャー(GM)ケビン・コルバートはデッドラインが過ぎた後に、「リビオン・ベルが今日、フランチャイズテンダーにサインしなかったことを認めたい。結果として、彼は2018年シーズン中にプレーすることが不可能となる」という声明文を発表した。

また、チームオーナーであるアート・ルーニー二世はベルがデッドラインまでにフランチャイズテンダーにサインし、シーズン後半の活性剤になることを望んでいたことを明かしていた一方、ここ数週間にかけてフリーエージェント(FA)市場での展望に多大な悪影響を及ぼすことがないことから、ベルには同テンダーにサインするための長期的な動機付けがないことが分かっていた。

ヘッドコーチ(HC)のマイク・トムリンはデッドラインとなっていた13日午後4時(東部標準時間)に先立ってこのように述べていた。

「ビジネスもフットボールゲームの要素であることは理解している。われわれ全員にゲームやゲーム内での関係性、フットボール関連の関係性があり、その理解がある。そして、このレベルでのフットボールにおいてもビジネスの要素がつきまとっている。そのことを理解できない場面でさえ、周りはそれに対して敏感になるんだ。だからこそ、われわれはビジネスの観点でそういうことが起きた時でもショックを受けることはない」

『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロやアディティ・キンカブワラが先週報じていたように、NFLマネジメント協議会とNFL選手委員会はスティーラーズが2019年にベルに対して2年目と同様のタグを指定することは不可能であると同意したため、同チームが3年連続でベルにタグ付けはしないことがほぼ確実となった。これは、3年連続のフランチャイズタグが上位のクオーターバックと同程度の額となり、スティーラーズが2,000万ドル(約22億8,000万円)以上をベルに対して支払うとは考えにくいからである。

ベルがスティーラーズで最後のダウンをプレーしたと考えたことはあるかと問われたトムリンHCは「いや、そんなことは少しも考えたことはなかった。もう一度、これまでにも繰り返し言ってきたことを言うが、私はここにいる選手の事に集中してきたんだ。われわれには勝利という面で、今週に直面する問題を含め、立ち向かうべき十分にたくさんの問題を抱えていた」と明かした。

スティーラーズにはリーグ新年度となる来年3月にベルをフリーエージェント(FA)とするか、あるいは、トランジションタグを指定するという2つのオプションがある。1年間のテンダーであるトランジションタグはベルに他チームからの契約オファーを交渉する権利を与える。スティーラーズはトランジションタグの下、他チームからのオファーシートにマッチする契約が可能な権利を保持しているが、他チームがそのオファーを提示しなかった場合にはその補償はなくなる。ペリセロによると、ベルに対するトランジションタグの金額設定に選手委員会が口をはさむ可能性もあると指摘している。

ベルは先月、スティーラーズが最終的にはトランジションタグを指定してくる可能性を考慮していた。ベルの自主逃亡はスティーラーズの不調を願って行ったもののようだが、序盤の難局を乗り越えたチームは、デュアルスレットとしてのジェームズ・コナーの台頭によってベルの不在をカバーしてきた。ここまでのコナーは771ランヤード、タッチダウン10回に加え、387レシーブヤード、タッチダウン1回をマークしてチームの5連勝に大きく貢献している。

先週木曜日のカロライナ・パンサーズ戦で脳震とうを発症したコナーだが、チームは今週末のジャクソンビル・ジャガーズ戦までには脳震とうプロトコルを外れるだろうと楽観視している。

ベルに関して言うと、次なる契約が定まるまではチームメイトへの応援も制限されることになる。スティーラーズは来年2月19日からベルに対するトランジションタグ指定が可能だ。

【S】